グルメ

「経産牛」を使った下町のイタリアンに注目 - 「パッソ・ア・パッソ(Passo a Passo)」有馬邦明シェフの“オーソブッコ”の味

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8月3日(土曜日)あさ9時半にテレビ朝日で放映予定の「食彩の王国第791回」のテーマは『牛肉』です。

スタミナが切れそうな暑い夏に体が求めるのは元気の源となる「牛肉」ですね。

そこで、この番組では、今ビストロでも大人気の「経産牛」に注目します。

「経産牛」とは

「経産牛」とは子牛を産んで、ミルクを搾り終えた母牛のことを言います。

噛めば噛むほど味わい深い身は、今ひそかなブームを呼んでいます。

和食料理店ではとろとろの肉豆腐に、恵比寿のフレンチLe Coq(ル・コック)では豪快に焼き上げたステーキに仕立てます。

イタリアンの「パッソ・ア・パッソ(Passo a Passo)」の有馬邦明シェフ(1972年大阪府生まれ)も経産牛ファンの一人です。

「廃用牛」を出さないための工夫

有馬シェフが使う肉は岩手県の北部・奥中山高原のものです。

そこは夏でも涼しくジャージー牛にとっては最適の場所で、ここで牧場を一代で築いた三谷剛史さん、雅子さん夫婦は放牧酪農で牛を育てています。

好きな時間に牛舎を出入りできるこの農法は牛にとってストレスが掛からず、ミルクも濃厚で深い味わいになるそうです。

牧場を始めて16年ですが、夫婦は避けがたい現実に納得できずにいました。

それは、10年近く共に過ごした、ミルクが出なくなった母牛は「廃用牛」と呼ばれ、ペットフードなどの加工品になるということでした。

そんな三谷さん夫婦に、和牛農家の中屋敷敏晃さんと牛肉卸しの荻澤紀子さんが手を差し伸べました。

この試みでは牛を「再肥育」し、おいしい肉に甦らせることを提案したのです。

「再肥育」に成功

「再肥育」とはお産を終えた母牛の固くなってしまった肉質を、おいしく食べられるように育て直すことです。

しかし、乳を絞り終えたジャージー牛は痩せ細り、改めて肉用として出荷するのは難しいとされてきました。

そこで、中屋敷さんは、放牧酪農でのびのび育った牛のストレスを少しでも緩和する為、牛舎を清潔に保ち、餌を与える時は食べやすいように工夫した餌箱も用意しました。

その努力が報われて、徐々に餌を食べ始めたので、さらに肉をつける為に、シードルを作る際に出るリンゴの搾りかすを飼料に混ぜ、酸味で牛の食欲を刺激しました。

このような様々な工夫のおかげで見違える程大きくなった「経産牛」の飼育に成功しました。

東京で受け取った牛肉卸しの荻澤紀子さんは、新たに良質な脂をまとった「経産牛」を多くの料理人の注文に応じて出荷しています。

番組が注目したイタリアンの有馬シェフもこの肉を仕入れた一人です。

骨の髄までおいしい経産牛

有馬シェフはまず柔らかいヒレ肉を厚切りにして、塩と粗糖(砂糖)を振りオリーブオイルでソテーします。

粗糖を振ることで綺麗な焼き目を付けるだけでなく、肉汁を閉じ込めることができるのです。

さらにオーブンで2分、余熱で20分、丁寧に火入れをしたら、特製のデミグラスソースを添えて… 「経産牛のステーキ。」

続いては骨付きのスネ肉の調理です。

スジの多いこの部位を柔らかくする為に有馬シェフが取り出したのは、三谷牧場から取り寄せたヨーグルト。

これに肉を漬け込み、一晩寝かせます。

そして、柔らかくなった身をソテーし、炒めた香味野菜やトマトソースと共に6時間煮込めば…ミラノの郷土料理「オーソブッコ」に仕上がりました。

番組のクライマックスでは、有馬シェフは「経産牛」に関わった人たちに味わってもらいたいと店に招待しました。

柔らかく、優しい味わいに大変身した「経産牛」を皆さんで堪能しました。

店舗情報

パッソアパッソ/ Passo a Passo
住所: 東京都江東区深川2-6-1 アワーズビル 1F
アクセス: 都営大江戸線 門前仲町駅 徒歩2分 東京メトロ東西線 門前仲町駅 徒歩3分
電話: 050-5280-6861
営業時間: 18:00~21:30 (料理L.O. 21:30 ドリンクL.O. 21:30)
(年末年始:12/27~1/8までお休み)
定休日: 水曜日
平均予算: 13,000円 (ホットペッパー調べ)
総席数: 12席

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