麻生財務相は4月9日午前の会見で、20年ぶりに紙幣のデザインを刷新すると発表し、大きな話題となっています。
しかし、もう1つ大きな「造幣ニュース」がありました。
令和3年(2021年)から新500円貨幣発行予定
紙幣だけではなく、500円硬貨も新しくなるということも発表されました。
しかも、新紙幣に先立って令和3年(2021年)度上期発行予定だそうです。
紙幣一新、正式発表 新元号とは「たまたま重なった」https://t.co/O1FhqO9R4V
500円硬貨も、素材などを変えた新硬貨が21年上期をめどに発行されます。一方、二千円札の刷新は「流通枚数が少ない」ため見送られました。#新紙幣 #渋沢栄一 #津田梅子 #北里柴三郎 pic.twitter.com/2XHSpkMjEw
— 朝日新聞デジタル編集部 (@asahicom) April 9, 2019
偽造防止策いろいろ
新500円硬貨の場合は、肖像画が変わる紙幣とは違い、1982年から使われている現行のものとモチーフは変わらないようです。
「竹」「橘」「桐」を用いたデザインには変更がないようですが、目立った違いは二色になることだそうです。
周囲と真ん中で色が違う「バイカラー・クラッド(bicolor clad)」という構造になります。
https://t.co/rwE3GoE5MJ#新紙幣 とともに500円硬貨の新デザインも発表されました。偽造しにくい2色3層構造となり、2021年上期めどで発行の予定です。(省)#新500円 pic.twitter.com/CPYfiF8iw3
— 朝日新聞 映像報道部 (@asahi_photo) April 9, 2019
また、フチのギザギザは、一部を異なる形状にした「異形斜めギザ」を導入して、偽造をしにくくするようです。
このような細工は、大量生産する硬貨への採用は世界初だといいます。
片方の「日本国」と書かれた面の周辺には、日本の硬貨として初めて採用された「微細文字」で「JAPAN」と「500YEN」と刻まれるそうです。
さらに、500と書かれた面の下部にあった「竹」は元号の「令和」が書かれるためなくなってしますが、上部の「竹」、左右にある「橘」、裏面の中央の「桐」というモチーフは変わりません。
新500円硬貨の直径は変わりませんが、バイカラー・クラッドにするためか、現行の500円玉と比べると、重さは0.1グラムだけ重くなります。
「バイカラー・クラッド」とは?
新500円硬貨の二色の説明によく聞くのは「バイカラー・クラッドで、周りは500円玉、真ん中が100円玉の色になる」ということです。
まず、「バイカラー(bi-color)」とは2色ということで、周囲は、現在の500円玉(ニッケル黄銅)のように、黄色っぽく、真ん中の部分は、100円玉(白銅)の銀色で2色になるということだそうです。
海外の貨幣では「バイメタル(bi-metal)=2種類の金属」と表記する場合もあるようです。
バイカラー・クラッド【現代用語Today】新500円硬貨は「バイカラー・クラッド」という新技術を導入。外観はニッケル黄銅と白銅の2色、中身は3層。素材を複雑に組み合わせることで、より偽造防止効果を高める。https://t.co/7b4WZ58FT2 pic.twitter.com/II9vyMKzPC
— 現代用語の基礎知識シリーズ (@kodomoGendai) April 9, 2019
さらに、新貨幣の真ん中(「100円玉」の部分)は表から見ても裏から見ても銀色ですが、別の金属をサンドイッチのように挟み込んでいて、このようなものは一般的に工業関係で「クラッド(clad)」材と呼ばれています。
そこで、新貨幣は二色三層になっているので、合わせて、「バイカラー・クラッド」と呼んでいるとのことでした。
平成の「バイカラー・クラッド」500円貨幣
実は、日本の財務省造幣局が平成20年(2008年)から「バイカラー・クラッド」で「異形斜めギザ」入りの500円貨幣を発行していたのです。
しかも、47種類もあるのです!
【記念貨幣】平成27年度後半に発行予定の、地方自治法施行60周年記念貨幣(和歌山県、大阪府、長崎県、千葉県)の図柄等を決定しましたhttp://t.co/dVtIc0dshT pic.twitter.com/YhN2QiPCiy
— 財務省 (@MOF_Japan) April 21, 2015
それは、 「地方自治法施行60周年記念貨幣」500円玉のことで、1000円玉と共に、各都道府県別に発行されたものです。
紙面【社会】地方自治法施行60周年の記念貨幣。東京では千円銀貨が東京タワーやレインボーブリッジ、五百円硬貨が東京駅のデザイン。ほか 詳しくは本日(4月27日付)東京新聞朝刊にて。 pic.twitter.com/LOpBU2fEfR
— 東京新聞ほっとWeb オフィシャル (@tokyohotweb) April 26, 2016
興味深いことに、「東京都」の「バイカラー・クラッド」500円貨幣の絵は東京駅丸の内駅舎の図柄でした。
新10000円札の裏のモチーフと一緒です。
また、埼玉県の1000円(500円ではありませんが)の記念貨幣の肖像は「日本資本主義の父」と呼ばれる渋沢栄一です。
そうです、新10000円札と同じモデルです!
埼玉県オリジナル貨幣をお手元に!地方自治法施行60周年記念貨幣の埼玉県版、千円銀貨幣の購入申し込みが今日から始まりました!デザインは渋沢栄一と時の鐘。記念切手とのセットも♪
【造幣局HP】http://t.co/RXSPe3BNdl pic.twitter.com/lZAunzCwUq— 埼玉県庁 (@pref_saitama) September 9, 2014
どうしても、「バイカラー・クラッド」、「異形斜めギザ」500円玉を令和3年の前に手にしたい方は、是非、お住まいの都道府県の「地方自治法施行60周年記念貨幣」のコインを入手して下さい。
これも良い記念の品になると思います。