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ワイス・ワイスの佐藤岳利社長は、家具木材のトレーサビリティを求める

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3月7日木曜午後10時からテレビ東京系で放送される「カンブリア宮殿」では、メインインタビュアーの村上龍とサブインタビュアーの小池栄子は、家具、インテリア商品等の企画、開発、製造、販売を営む株式会社ワイス・ワイスの佐藤岳利社長を迎えます。

佐藤社長は、扱う家具に使われる木材の伐採場所から加工した製材所までを確認しながら、徹底的なトレーサビリティを要求する経営理念を貫いています。

https://twitter.com/DreamArts_Co/status/1101311311411998720

アメリカ放浪の旅

佐藤岳利社長(1964年生、群馬県出身)は、1988年に青山学院大学経済学部を卒業する前に、休学届を提出し、一年間アメリカをクルマで放浪したそうです。

その理由は、4年生になっても、どうしても蹴活する気持ちになれなくて、思い切って渡米したとのことです。

アメリカでいろいろな人と会い、いろいろな生活を見てから帰国し、いよいよ、就職先を見つけることとなりました。

そのころは、飲食店や商業施設の企画に興味を持ち、店舗、施設やイベントの企画・デザイン・設計・制作施工を行っている大手の乃村工藝社に入社しました。

アジアに赴任

乃村工藝社入社後、本人は飲食店等のプロデュースを担当するつもりでいましたが、「佐藤君、今度の日曜日から香港へ行って下さい。多分1年位ですね。」といきなり言われて、頭の中が真っ白のまま、香港へ向かったそうです。

香港の一年の赴任が終ると、その後も約7年間、様々な海外の仕事を担当し、アジアを中心に、多くの国と国民の生活を見ることになりました。

本社勤務が2年ほど続いた頃、1996年12月に社内ベンチャー制度で、株式会社ワイス・ワイスを立ち上げることが出来ました。

将来はホテル業や飲食業を目指していましたが、資金も人材も無く、「まずは小さく」家具や雑貨の販売でスタートすることにしたそうです。

違法伐採のことを知る

「まずは家具」の販売と思って初めた事業が、2003年10月には43人の社員と共に渋谷区神宮前に「ライフスタイルブランド『ワイス・ワイス』表参道店」を開業するまでに発展します。

しかし、2005年頃になると、急に業績が悪化し、家具業界全体が無理な安売り競争状態に陥ってしまいました。

この状況の根本的な原因が、世界中で違法伐採された木材が、中国で加工されて、日本に輸入されていることを佐藤社長が知るのです。

これは「木材ロンダリング」と呼ばれている抜け道です。

違法に伐採された木材のため、当然、安く仕入れが出来るのです。

日本は、違法伐採された丸太の輸入については厳しい規定があったのですが、皮がむいてある加工品については原材料のトレースはしていなかったようです。

しかし、欧州、アメリカやオーストラリアでは、輸入木材に対する厳しい法律で管理されているため、違法伐採木材は輸入できないようになっていました。

違法伐採は健全な経済活動のみならず、地球の環境問題にも大きく影響を及ぼす大問題だと強く認識し、佐藤社長はある決断をします。

オーガニック・ファーニチャー

消費者は、オーガニック野菜やオーガニックコットンで織られたTシャツまで納得して、喜んで買っています。

そうであれば、製造の全ての過程がトレースできる「オーガニック・ファーニチャー」を作れば、必ず評価するお客さんがいると佐藤社長は確信しました。

そこで、佐藤社長は、ワイス・ワイスの家具を全て合法材、国産材で作ることを決めます。

その後はワイス・ワイス商品が作られる理念への理解とデザインや品質の良さで、どんどんと愛用者が増え、注目を浴び続けている企業になりました。

家具を選ぶとき、使われている木材のトレーサビリティについて考える人は少ないと思いますが、世界の環境を思うと、地球から与えられる全ての材料の出所について、改めて考える必要を感じるようになりました。

「カンブリア宮殿」では佐藤岳利社長は「家具を通して見えてくる『物語』」について話すようですが、社長ご自身の物語も興味深いものだと思います。

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