最近、宇宙産業のビジネスが次々と生まれ専門ではない異業種からの参入も増えているといいます。一般の日本人には関係が薄そうで「へー」で終わってしまいそうですが、そんな宇宙ビジネスに『宇宙葬』という新たな自然葬のかたちが注目されています。
終活をする際に、自分は「どんなお葬式をあげて欲しいのか」をあらかじめ伝えておく人も増え、そのお葬式の選択肢として『宇宙葬』があります。「銀河鉄道999」や「宇宙戦艦ヤマト」で有名な松本零士さんもこの宇宙葬で生前葬をしようとする一人です。
意外にお得?宇宙葬の費用と一般的なお葬式の値段
宇宙葬とは樹木葬や海洋散骨と同じように“自然葬”のひとつといわれています。お墓の土地を持たず、葬儀費用の手頃さから近年増えている供養の仕方です。基本的に遺灰をその場所に持って行き、埋葬したり散骨したりします。
宇宙葬もやり方は同じで宇宙に遺灰を持っていくことになります。でも山や海に比べて“宇宙”は高いそうなイメージで費用が気になりますよね?ロケットに搭載して打ち上げまでしなくてはならないし。だってロケットの打ち上げ開発費には億単位のお金が掛かっているような、、。
その費用は、なんと!安くて30万円程からできるようになっています。かなり衝撃的な値段です。値段は宇宙のどこまで持って行くかによって設定が違っていますが、一般的なお葬式費用の平均が120万くらいでそれに付随する費用で合計180万以上かかるのに比べれば、桁1つ違います。
日本でも宇宙葬を行う企業/葬儀屋さんはある
宇宙葬の費用を知って、選択肢のひとつになるものうなずけます。では、実際に宇宙葬を取り行う企業/葬儀屋さんはあるのでしょうか?
宇宙葬をアメリカで行う方法
もともとはアメリカから始まり、有名な企業にセルスティス(Celestis)がありその後、宇宙ビジネスの盛況とともにいろいろな企業が参入しています。民間の宇宙開発会社が起業するアメリカならではですが、そのうちの一つエリジウムスペース(Elysium Space)が日本市場に参入し日本で宇宙葬を募集し2017年に実施しています。その宇宙葬の費用がいちばん安くて20万程度(ドル換算で多少のずれあり)でした。現在は2020年の打ち上げの募集を行っています。プラン(費用)は、
- 流れ星供養:¥300,000
- 月面供養:¥1,200,000
1回目は2017年にありましたが打ち上げはうまくいかず、2020年に繰越しとなりました。そこは無料で補償しているということです。
詳細は>>> エリジウムスペース|宇宙葬サービス
宇宙葬を日本で行う方法
日本では唯一「銀河ステージ」という葬儀社が宇宙葬を行っています。プラン(費用)は、
- 宇宙飛行プラン:¥450,000 【予約終了】2018年9月17日打ち上げ予定
- 人工衛星プラン:¥950,000 【予約中】2019年4月~6月中
- 月旅行プラン:¥2,500,000 【予約中】2018年~2019年中
- 宇宙探検プラン:¥2,500,000 【予約中】2019年中
いずれも生前予約可能となっています。
詳細は>>> 銀河ステージの宇宙葬|スペースメモリアル
※宇宙葬は法律上、節度を持ってやれば問題ないとの見解。
日本では火葬が義務づけられているため「宇宙葬」は比較的受入れやすそうです。欧米はまだ土葬文化が主流のため“遺灰”という考えがあまりありません。それでも近年アメリカでは火葬を希望する人が増えておよそ半分くらいの割合で選択するとの調査結果もあります。またイギリスでもその割合が増えてきているということです。
またアプリを使って遺灰の位置を確かめることもできるため、バーチャルお墓として管理や法要もできるみたいです。
万人の上に等しくある夜空を見上げる度に、思い出してもらう“宇宙葬”もいいかもしれませんね。