政府はモノやサービスの決済の電子化(キャッシュレス化)を進めるための支援に乗り出すことを明らかにしました。
その中で、モザイク模様の正方形のQRコードは、2次元コードとも呼ばれ、一方向にしか情報を持たないバーコードより情報量が多いため、決済手段として注目されています。
【ビジネス解読】「QRコード決済」企業続々参入 キャッシュレス普及の起爆剤となるか https://t.co/2nRIJTe0nN
— SankeiBiz (@SankeiBiz_jp) August 20, 2018
目次
QRコード決済方式が増えています
今現在、国内でQRコードを使ったスマートフォン(スマホ)向けの決済サービスには楽天の「楽天ペイ」、NTTドコモの「d払い」、LINEの「LINE Pay」や「Origami Pay」などがあります。
さらに、年内に、ソフトバンクとヤフーも合弁会社「PayPay」やKDDIもQRコード決済のサービスを提供する予定だそうです。
このQRコードによる決済のサービスに注目しているのは企業だけではありません。
政府も本格的にQRコード決済のサービスの普及を後押しをしています。
日本は世界の「脱現金」の動きに出遅れている
政府のQRコード決済サービスの後押しをする背景には、急速なIT(情報技術)の進化により、世界的な決済手段の標準となりつつあるキャッシュレス、つまり「脱現金」で、日本は出遅れている事情がありました。
経済産業省によりますと、クレジットカードや電子マネーなど日本のキャッシュレス決済の比率は2015年時点で18%だったそうです。
これに対して、韓国の比率は89%、中国は60%でインドは38%に達していて、アジア国の間でも日本の比率が低い結果となっています。
そのため、訪日客の間では、4割が決済方法に不満を持っているという統計もあるようです。
また国内の金融機関のATMの管理や現金輸送にかけるコストが年2兆円あると推計されています。
もしキャッシュレス化が進めば、金融機関の負担のみならず、個人がATM等で現金を引き出す時間も減らせます。
このような状況を受けて、政府は2025年にキャッシュレス決済の比率を40%に上げる計画を立ち上げました。
そこで、政府は消費者の利便性や企業の生産性向上につなげるため、キャッシュレス決済の普及を後押しすることにしました。
QRコード決済に注目が集まっています
経済産業省の調査によりますと、クレジットカード決済を導入しない理由について、42%の企業が手数料の高さをあげているそうです。
この問題に対応するため、クレジットカードやデビットカードの読み取り端末を中小や個人商店に配布したり、キャッシュレスで払った消費者に次の決済で利用できるポイントを与えたりする施策も検討されています。
さらに、政府はスマートフォン(スマホ)で読み取るQRコードを使った決済基盤を提供する事業者に補助金を供与し、中小の小売店には決済額に応じて時限的な税制優遇を検討し始めました。
小売店や飲食店の手数料負担を抑え、2020年の東京五輪までの普及に弾みをつけるのがねらいです。
地方自治体や中小企業が各地域の商店街で実証実験をしやすくする支援策も練る予定です。
政府は今秋、未来投資会議の下に官民協議会を設け、キャッシュレス化を推進する方針を打ち出す見通しとなっています。
「QRコード」決済、日本に浸透するか 標準化へキャッシュレス推進協が始動https://t.co/QhbcTovXOb
— 日刊工業新聞電子版 BizLine (@Nikkan_BizLine) August 14, 2018
補助金は経産省などが関連費を2019年度予算案に盛り込み、税制優遇は自民党税制調査会などでの議論を踏まえ、2018年末に政府が閣議決定する税制改正大綱への反映を目指す方針です。
QRコード決済の大きなメリット
現在、スマートフォンを使ってQRコードではない決済手段として、米アップルの「アップルペイ」やJR東日本の「モバイルスイカ」などがあります。
しかし、やはり、クレジットカード同様に、店舗に専用端末が必要で中小や零細店にとって費用負担が大きいというデメリットがあります。
そこで、QRコードは従来のスマホ決済やクレジットカードのように専用の読み取り機は要らず、店舗側の負担も軽いという大きな利点があります。
QRコード決済方式の仕様の統一が必要
QRコードの支払いの魅力は、店に紙1枚またはタブレット端末の表示さえあれば、自分のスマホで決済ができることです。
QRコードを使ったキャッシュレス決済は、主に買い物客が自らのスマホにQRコードを示す方式と、店舗側が端末に示して買い物客が読み取る形式の2つの方式があります。
政府は国際標準のあり方を探りつつ、年内にも仕様を統一する計画をまとめる予定です。
最終計画に沿った決済基盤を提供する事業者には補助金の支給をする検討をしているそうです。
日本人は「脱現金」できるのでしょうか?
現金主義と言われている日本人がこの数年で「脱現金」できるのでしょうか?
考えてみれば、私もこの数年間、電車に乗るのに現金を払った思えは無いですね。
すでに、私も部分的に「cashless」になっていました。
キャッシュレス決済手段として注目の「QRコード決済」。しかし、日本にはJR東日本のSuica(スイカ)や楽天Edy(エディー)など、非接触ICチップを使った決済が浸透している。そもそも、日本は世界有数の「現金大国」だが…#決済電子化https://t.co/bWHCRkapnM
— 読売新聞YOL (@Yomiuri_Online) August 21, 2018
自分のスマホを「マイ専用決済読取端末」だと考えれば、これを使うのが自然のようにも思えます。
最近「セルフレジ」も増えているし、結局、安全ならば、便利な支払方を選んでしまいますよね。