日本のスタバではまだですが、大手コーヒーチェーンのスターバックスコーヒーは2020年までに世界28,000ある全店舗での、プラスチックストローの使用を全廃することを発表しました。
スタバと言えばストロータンブラーが“らしさ”の象徴なだけに、大きなインパクトを持っています。
すでにスタバの本拠地シアトルでは2018年7月1日からプラスチック製ストローや食器の使用を禁止する法律が施行されています。これと同様の動きは世界中、特に欧米を中心にみられ、だれもが知るマクドナルドも2025年を目標に全廃することを発表しています。
プラスチック製ストローと企業の取り組み。日本は?
これまでにプラスチックストローやプラスチック製品を全廃する動きを見せている企業は、
- スターバックス:2020年までに全世界の店舗のプラスチックストローを全廃。2019年中にアメリカ、カナダの店舗でストローを使わない蓋に切り替え、フランスやオランダ、イギリスでも進めていく。日本は具体的な取り組みはまだ。ストローの必要なフラペチーノ等は紙か生分解性プラスチックストローを使用する。
We’re removing plastic straws in our stores globally by 2020—reducing more than 1 billion plastic straws per year from our stores.
— Starbucks Coffee (@Starbucks) 2018年7月9日
- マクドナルド:2025年までに全世界の店舗でプラスチック製ストローを全廃。2018年9月からはイギリスとアイルランド店舗でプラスチックストローから紙製ストローの順次切り替え。日本は2025年までに具体的な取り組みをする。
- アメリカン航空:2018年7月から同社空港内ラウンジでプラスチックストローを紙ストローに切り替え、マドラーは木製に切り替え。機内は竹製のストローやマドラーの切り替え。
- アラスカ航空:2018年5月から環境に配慮したストローに切り替え。
- ハイアットホテル:ストロー、マドラーを全廃。2018年9月1日からは客に求められた時のみプラスチックストローを提供。
- 大リーグ ホワイト・ソックス:本拠地のスタジアム内でのプラスチックストローの使用を取りやめ。
- BBC:2020年までに使い捨てプラスチック製品を全廃。
プラスチック製品の使い捨てを規制する法案は政府、自治体レベルでも
企業とは別に各国政府や自治体でも世界的なプラスチック汚染の問題に取り組もうとストローだけでなくプラスチックバッグ(ビニール袋)、プラスチック容器を規制する法案が制定されています。
- イギリス、欧州連合(EU):プラスチックバッグを2019年までに2010年比で80%の削減目標、発砲スチロールの禁止。
- アイルランド:プラスチックバッグ(レジ袋)への課税。
- アメリカ・自治体:プラスチックバッグ、プラスチックストロー、プラスチック容器の禁止。(ニューヨーク、シアトル)
- カナダ:使い捨てプラスチックストローの全面禁止を検討。
- 台湾:プラスチックストローの使用を規制する法案を審議。タピオカミルクティ存続の議論にも発展。
- アフリカ諸国:ケニア、エリトリア、ボツワナ、モロッコでプラスチックバッグ(レジ袋)の禁止。
- ベトナム:プラスチックバッグ(レジ袋)への課税
- 中国:プラスチックバッグ(レジ袋)の禁止
プラスチックストローとプラスチック製品の海洋汚染が深刻
この世界的な廃止の動きを見せている“プラスチックストロー”ですが、もともとは2015年に絶滅の恐れのあるウミガメの鼻からプラスチックストローが取り除かれる動画から、SNSを通じて『#StopSucking(吸うのをやめよう)』とする運動に著名人が賛同したのが、世界的な企業や政府を動かす取り組みに発展したようです。
@Starbucks you have a chance to be the hero here! You can give back to your millions of customers around the world by showing you care 🌎 https://t.co/2ozaTR9FbF
— Ellen Pompeo (@EllenPompeo) 2017年9月26日
もともとプラスチックによる海洋汚染の問題は言われて久しいですが、ドイツの研究機関によれば世界の海洋に流出しているプラスチック廃棄の9割が10の河川から流れ込んでいるということです。その河川は中国の長江、黄河、海河、珠江、ロシアのアムール川、東南アジアのメコン川、インドのインダス川、ガンジス・デルタ、アフリカのナイル川、ニジェール川です。
プラスチックの海への流出を減らすには、その元となるプラスチックゴミを減らすのはもちろんのこと、ゴミの分別処理やリサイクル、日常生活のちょっとした不便さの容認など一人ひとりが取り組めることは積極に行動したいですね。