アメリカの歴史的農学者、ジョージ・ワシントン・カーヴァー(George Washington Carver、1864-1943)は「…地球上から全ての食料が無くなったとしても、ピーナッツとサツマイモだけで人間を養う十分な食料を供給することができるかもしれない…」と考えたそうです。
その考えを元に彼は研究を重ねて、様々な農業技術の発展を実現させました。この話を聞いて、いつも何気なくつまんでいるピーナッツのことに興味を持ちました。
私は「ピーナッツ」以外に、「南京豆」や「落花生」と、この「豆」のことを呼んでいます。
しかし、それぞれの名称に微妙な違いがあるようです。
「南京豆」と同様に、「中国伝来の豆」という意味で、「唐人豆」や「異人豆」という言い方もあるようです。
この表現は江戸時代に輸入されていた品種のピーナッツを指すものでした。
しかし、明治維新以後は別の品種を栽培や輸入することとなり、今、我々が食べているものを表すのには不適切ということになります。
ただし、今でも、殻が取り除かれていて、茶色い薄皮だけが残っている状態のピーナッツを「南京豆」と呼ぶことがあるそうです。
ピーナッツの花が受粉した後、下を向いて子房が地下に潜り、土の中で実がなるのがこの植物の大きな特徴です。
その特徴を表したのがピーナッツの漢名、「落花生」です。
「落花生」とは本来、実のことだけではなくその植物全体を示す名称です。
英語では、peanutsが植物全体を表す名称ですが、日本ではピーナッツは「pea=エンドウ豆」+「nuts=木の実」で、「エンドウ豆のようなナッツ」と昔から理解されているたようです。
そのため、ピーナッツのイメージは、「殻なし、薄皮なしの白い実だけ」だと言われています。
少し驚いたことに、アメリカではpeanutsが人の食用として本格的に栽培され始めたのは1930年代からで、意外に最近だということです。
また、peanutsと呼ばれる前にはgooberという名前で、主に南部で育てられていたそうです。
今度は、「goober」の語源が気になってきました。