おでかけ

お遍路の初心者の心得。やってはいけない基本マナー

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近年、御朱印やスピリチュアル、パワースポットを気軽に巡る旅が人気です。特に若い年齢層の人々が、自分自身を見つめなおす旅として「お遍路」が注目を浴びています。
またお遍路さんは外国人旅行者にも、日本の文化を体現する旅として人気で、初めてお遍路をする人も増えています。

ここで気になるのが、お遍路をする時のマナーです。一般的な観光というよりは宗教に近い神聖な行いのため、最低限のマナーは守りたいものです。

しかし普通の旅行とは違い、お遍路の経験を持つ人、何度も訪れる人は少ないのが実情です。そこで事前の予備知識として最低限の「やってはいけないこと」を知りましょう。

そこで、お遍路のメイン行事の基本マナーについて紹介します。
みんなが気持ちよく、お遍路に来てよかったと思える経験にしたいですね。

基本の服装(装備)とお遍路の意味

一般的に、「お遍路」は、四国八十八か国を巡る巡礼を指します。

今から1200年ほど前に、御大師様(弘法大師・空海)が悟りを開くために修行した霊場・八十八か所を巡礼し、御大師様とのご縁を結びます。四国ではお遍路をしている人々を「お遍路さん」と呼んで親しみ、「ご接待」と呼ばれる無償のご奉仕を提供します。

お遍路さんが自分たちに代わって、御大師様と共に巡礼して下さっているという信仰があるからです。お遍路は、弘法大師の偉功を偲び、御大師様との仏縁を結びながら、家内安全・病気平癒・先祖供養など様々な祈りと願いの旅です。

お遍路の基本の服装と携帯道具

服装に関しては、特に決まりはありません。日常的な服装で巡礼される方もいます。基本的には白装束に身を包みます。これが正式な巡拝姿です。以下に、一般的なお遍路道具をご紹介します。

(お遍路の服装)

白衣(はくえ)・輪袈裟(わげさ)・金剛杖(こんごうづえ)が基本の三点です。簡易的に洋服に合わせて着用することができます。

  • 白衣
    白衣は、背中に「南無大師遍照金剛」その横に小文字で「同行二人」と書かれています。昔の死装束の意味があります。
  • 輪袈裟
    半袈裟や輪袈裟・折五条は、首からかける略式の袈裟で、霊場巡拝の正装具です。お手洗いや食事の際は外すのがマナー。袈裟を外すときには下に直接置かず、上座や机の上に置きます。
  • 金剛杖
    弘法大師の分身として大切に扱います。自分より先に休め、橋の上では杖をついてはいけません。
  • 菅笠(すげがさ)
    巡拝中の日差しや雨を防ぐために被ります。弘法大師を表す梵字と「同行二人」墨書きされています。笠をかぶったまま礼拝し、お堂の中でも笠を取らなくても大丈夫です。

(その他お遍路の道具)

  • 納札(おさめふだ):各札所の本堂と大師堂の2カ所の納札箱に納めるお札。
  • 納経帳(のうきょうちょう):各札所で礼拝・納経の後、納経所でご宝印(黒書・朱印)をいただきます。
  • 山谷袋(さんやぶくろ):経本や納経帳など、巡拝に必要なものを入れるための肩掛け袋。頭陀袋(ずだぶくろ)ともいいます。
  • 経本:般若心経・御本尊真言・光明真言・十三仏真言などが書かれています。
  • 金剛鈴・持鈴(じれい):仏さまを美しい音色でもてなします。
  • 念珠・数珠:お遍路では一般的に真言宗用の数珠が使われています。

お遍路での参拝時の読経と納め札の扱い方

お遍路は信仰心に基づくものですから、特に難しい作法はありません。しかし、おのずと、御大師様に失礼のないマナーがあります。以下に基本的な読経方法と納め札の扱い方をご紹介します。

お遍路での納札(おさめふだ)

納め札は、各札所の本堂と大師堂の2カ所の納札箱に納めます。接待を受けたときのお礼にも使用します。色は巡拝回数で決められており、1~4回は白、7回までは青(緑)、24回までは赤、49回までは銀、99回までは金、100回以上は錦となっています。

納め札には、住所・氏名などを記入してください。札の左下(名前の下)に年齢を書く箇所があります。数え年(満年齢・実年齢に1歳加算)が基本ですが、満年齢でも問題はありません。数え年は、満年齢(日常的に使われる年齢)に1歳加えた年です。

四国八十八ヶ所のお遍路さんの納め札ですが、その由来としては諸説あります。
その一つでは、弘法大師様に自分が巡礼していることを知らせるために、自分の住所・名前・日付を記入したお札をお寺に貼ってお知らせしたことが、納め札の起源だといわれます。

お遍路での読経

数珠を用意します。数珠は各宗派の物でもかまいません。右手の中指、左手の人差し指に掛け3回すり合わせます。数珠を左手にかけて合掌し、三礼した後、経本に従って読経します。

経本には、般若心経・御本尊真言・光明真言・十三仏真言などが書かれています。暗記していても、この経本を見ながら読経します。本堂前には、先達(遍路経験者・案内をする人)をはじめ多くの人々が唱和しているので、それに参加するとよいでしょう。

お遍路の基本マナーまとめ

お遍路の旅では、飲酒遊興を慎むことは当然でが、愚痴や妄言も慎むように心がけたいものです。

その他注意すべきこととして、橋の下でお大師さまが休んでいるといわれていますので、橋の上では金剛杖をつかないようにしましょう。

四国の人々の「お接待」は断らず、快く受けていただきたいと思います。「お遍路さん」に出会ったら、あいさつし、助け合いの精神で行動しましょう。

気持ちよく真摯に巡礼の旅をすることが、御大師様の心にもかなうことにつながります。

 

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