フランス南部の都市グラース(Grasse)で培われた香水作りの技術が28日、秋田県の「男鹿のナマハゲ」など、10件の日本の伝統行事が29日にユネスコの無形文化遺産に登録されました。
南仏グラースの香水作り技術、ユネスコ無形文化遺産に https://t.co/KjfrbCpZ3l pic.twitter.com/8vYgzIxy0F
— ロイター エンタメ (@ReutersJpEnt) November 29, 2018
グラースの香水技術は500年以上にわたる
ユネスコ(国際連合教育科学文化機関:UNESCO United Nations Educational, Scientific and Cultural Organization)は、世界各地の歴史や風習に根ざした伝統文化や芸能などを保護する無形文化遺産の会議を、インド洋の島国モーリシャスで開催しています。
28日に新しい登録の審議が行われ、この中でフランス南東部のグラースに伝わる香水作りの技能が無形文化遺産に登録されました。
登録されたのは、香水の原料となる花の栽培や原材料に関する知識、それに香水を調合する技術などで、ユネスコは「グラースの人々は技能をみずからのものにしてさらに磨き上げてきた」と評価しています。
グラースは温暖な気候と肥沃な土壌に恵まれていて、昔からバラやジャスミンなど香水の原料となる花の栽培が盛んで世界的な香水の生産地として知られています。
また、アメリカの女優マリリン・モンローが愛したとされる香水「シャネルの5番」が有名ですが、これもグラースで誕生しています。
香水の業界団体によると、香水の需要増が見込まれる中、グラース市当局は、家族単位で受け継がれてきた栽培や調香の技術をさらに発展させるための方法を模索しているそうです。
無形文化遺産への登録が決まったことを受けてグラース市長が会場で演説し、「香水は、夢や、人々の絆、贈り物の象徴で、男性にとっても女性にとっても自然からの恵みだ」と喜びを表しました。
グラースの香水技術は500年以上にわたる年月をかけて発達し、月下香などの材料が育つのに適した微細気候であることから、現在も世界有数の香りの中心地とみなされています。
しかし、最近は、一部の業者が生産コストのより安価なチュニジアやモロッコに移転したり、不動産業者が農地を開発したりし、生産者の数は減少している事情もあるようです。
日本の「ナマハゲ」も29日に登録
今回開催されているユネスコの無形文化遺産への登録の審議の対象に秋田県の「男鹿のナマハゲ」など、10件の日本の伝統行事が含まれていました。
ユネスコ:ナマハゲなど「来訪神」を無形文化遺産に決定 https://t.co/WQyTptkdUW
— 毎日新聞 (@mainichi) November 29, 2018
日本の各地で、正月などに仮面や仮装をした住民が家を訪れて怠け者を戒めたり、無病息災を願ったりする各地の伝統行事を「来訪神:仮面・仮装の神々」という名称でまとめて提案し、審議の結果、29日に見事、登録されることとなりました。
登録される伝統行事は、秋田県の「男鹿のナマハゲ」、岩手県の「吉浜のスネカ」、山形県の「遊佐の小正月行事」、それに沖縄県の「宮古島のパーントゥ」など、8つの県で合わせて10件です。
ユネスコの使命
ユネスコは国連の機関として、「国際連合教育科学文化機関憲章」(ユネスコ憲章)に基づいて1946年11月4日に設立されました。
ユネスコの活動の主な目標は、「万人のための基礎教育」と「文化の多様性の保護および文明間対話の促進」と定められています。
「基礎教育」に関しては、世界的な義務教育の普及のための活動を積極的に行っています。
また、「文化の多様性の保護および文明間対話の促進」については、今回のように、世界遺産の登録と保護が大きな活動の柱となっています。
その他に、文化多様性条約の採択や歴史的記録遺産を保全するユネスコ記憶遺産(世界の記憶)事業なども実施しています。
おめでとうございます!
南仏クラースの香水に続いて、日本文化が生んだナマハゲ達も無形文化遺産への登録が叶って、関係者の皆様にお祝いを申し上げます。
【ナマハゲなど無形文化遺産に】https://t.co/5ickJAUCzP
ユネスコ政府間委員会は29日、日本の来訪神の無形文化遺産登録を決定した。「宮古島のパーントゥ」や「男鹿(おが)のナマハゲ」を含む8県10件。
— Yahoo!ニュース (@YahooNewsTopics) November 29, 2018
まだ知らない行事がいっぱいありますので、この機会に、日本が世界に誇る様々な伝統行事を勉強したいと思います。
これからの年末年始で、丁度各地方のいろいろなイベントを見るのに良い季節ですね。楽しみです!