日本にはいろいろな形態の「会社」がありますが、
最近とある「会社」が増えてきています。
8/20に東京商工リサーチが発表した「2017年全国新設法人調査」によると、
2017年に日本全国で新設された法人のうち20.5%が「合同会社」でした。
「合同会社」とはどのような会社なのでしょうか?
合同会社のメリット/デメリット
合同会社は、2006年の会社法改正によってできた日本の会社形態の1つです。
通常の株式会社は、株主が出資して、取締役が経営、と分かれていますが、
合同会社は、すべての社員が自ら出資して経営します。
株主の意思が優先される株式会社と違って、社員が出資者のため社員の意思で経営できます。
会社の債務に対しては、無制限・無条件ではなく、有限責任です。
また、「合同会社」という名前ではありますが、社員1名でも設立可能です。
会社設立時には定款が必要ですが、自分自身でも署名可能な電子定款で作成することが可能で、
公証人による認証が不要となり、会社設立のハードルが非常に低いです。
デメリットとしては、小規模で閉鎖的なため、株式会社に比べると信用度は落ちます。
また、定款の作成・変更や社員の加入について、社員1人1人が拒否権を持ちますので、
社員同士のトラブルが発生しやすい、とも言えます。
他の会社形態
日本の会社形態は、「合同会社」の他に、「株式会社」「合名会社」「合資会社」があります。
「株式会社」に対して、他の3つの形態を総称して「持分会社」と呼びます。
株式会社
「株式会社」は株主が出資して、会社の取締役が経営を行う形態の会社です。
出資は「株式」を購入することで行い、会社の債務に対しては出資分のみの有限責任です。
つまり、会社が倒産しても、株主は所有する「株式」の価値がなくなるだけで、
それ以上の責任を負いません。
出資者のリスクが限定されていますので、
「合同会社」と違って多数の出資者から広く出資を集めることが可能です。
ただ、設立時には出資金は1円からで良いのですが、定款には公証人による認証が必要で、
4万円の収入印紙代がかかります。
この点では、「合同会社」よりも多少設立費用がかかります。
合名会社
「合名会社」は社員が出資をして経営も行うという点では「合同会社」と同じですが、
個人事業主が複数人となり、共同事業化した状態を想定した会社形態で、
会社の債務に対して無限責任を負う社員のみで構成されます。
家族など意思疎通が密で固定された少人数による経営には向いていますが、
無限責任というリスクがありますし、「合同会社」よりも社員同士のトラブルが発生しやすいです。
「合同会社」よりもデメリットが大きく、この形態の会社はそれほど多くはありません。
合資会社
「合資会社」も社員が出資して経営もしますが、
会社の債務に対して出資した分の責任を持つ有限責任社員と
無制限・無条件の責任を持つ無限責任社員の2種類の社員で構成されるのが特徴です。
基本的には無限責任社員が中心で、ある程度のリスクを有限責任社員が引き受ける形だと思います。
この形態も「合同会社」に比べればリスクが大きく、会社は多くありません。