9月8日(日)にTBSテレビで夜11:00放映予定の「情熱大陸(Vol.1068)」のタイトルは、【大城和恵/標高3250m“山の上のお医者さん”が向き合う登山者の命】です。
昨今の登山ブームのおかげで、愛好者の急増と共に山岳遭難件数も増え続け、去年の発生件数は昭和36年以降最も高い数値を達してしまいました。
そこで、日本人初の国際山岳医として、大城和恵(おおしろ かずえ)医師は遭難事故の予防活動をはじめ、高山病、脱水症、低体温症、骨折など登山者の病気や治療に日夜奮闘しています。
今年の夏は、富士山八合目「富士山衛生センター」で、医療器具が少ない診療所でたった一人きりで勤務しました。
番組では、この環境で、大城医師が24時間体制でいかに登山者の命を救う対応が出来るかを密着取材します。
次回の情熱大陸は、登山者の命と向き合う山岳医、大城和恵。
この夏、富士山は緊迫した―。24時間体制の“山の上のお医者さん”に密着。#情熱大陸 #mbs #tbs #山岳医 #大城和恵 pic.twitter.com/gEqz8UHVIr— 情熱大陸 (@jounetsu) September 1, 2019
山岳医療を専門にする決心
もともとアウトドア派の大城和恵医師は、休みの度、国の内外へバイク旅行に出かけていたが、大学時代から登山の魅力にとりつかれたそうです。
また、山岳医療に興味を持ったきっかけも、旅先での出来事だったそうです。
30代後半のある年の夏休みに、ネパール旅行でヒマラヤをトレッキングをしていたところ、高山病に苦しみフラフラになっている登山者を見かけました。
医師として、まず、パルスオキシメーターで血中酸素飽和度を測定するととても低い値で、登山者は水も持っておらず、脱水症状だということも判断できました。
大城医師は呼吸法等を教え、持っていた水を与えて無事下山させました。
しかし、この経験で自分の高山病に対する知識が不十分だと思い知って、山岳医療を専門的に学びたいと強く思うようになったのです。
そこで、2000年代の終わりに、大城さんは、山岳医師を目指して行動開始します。
https://twitter.com/harurei240/status/999281773765771270
山岳遭難件数が最高数値に
登山ブームと言われて久しいのですが、とりわけ中高年の登山愛好者が急増しています。
それに比例して、山岳遭難件数も増え続けて、警察庁の統計によると去年の発生件数は2,661件で、昭和36年以降最も高い数値となってしまいました。
救助隊が接触した遭難者が生存している確率はたったの2.5%で、山で亡くなる人を減らすためには、予防法を周知するなど、医師らが事前に介入する事が大切だと言われています。
番組では、山岳での3大死因─外傷、心臓突然死、低体温症を未然に防ぐために、登山者に健康・安全のためのアドバイスや指導を大城医師が行っている様子や、山岳遭難の多い北海道の大雪山系、長野県北岳の麓での山岳遭難防止啓発活動の様子を紹介します。
また、大城医師が今年の夏、富士山八合目(標高3250m)にある「富士山衛生センター」に勤務する姿に密着取材し、その様子もレポートします。
大城医師自身もマッキンリー、マッターホルン、マナスル登頂など豊富な登山歴を持ち、登山家の中でも登頂が難しいとされる危険な山で研鑽を積んでいるのです。
4分の3以上が窒息死−−雪崩埋没者への応急処置と予防法! | 登山外来の現場から | 大城和恵 | 毎日新聞「医療プレミア」 https://t.co/9nJEh5YLHV
— 野口健 (@kennoguchi0821) April 6, 2017
大城和恵山岳医の経歴と登山歴
-1967年 – 長野県長野市に生まれる。
-1986年 – 長野県長野高等学校卒業。
-1992年 – 日本大学医学部卒業。日本大学医学部附属板橋病院第1内科に入局。
-1998年 – キリマンジャロ(5,895m/タンザニア)登頂。
-2002年 – 北海道大野病院勤務。
-2009年 – 北海道大野病院を退職し渡英、英国国立レスター大学留学。
-2010年9月 – マッキンリー(6,190m/アメリカ)登頂。山頂よりスキー滑降。
-2010年 – 英国国立レスター大学にて日本人初となる「国際山岳医(UK Diploma in Mountain Medicine)」資格取得。
-2010年 – ウェブサイト「山岳医療情報」を開設。
-2011年 – 北海道大野病院復職、山岳外来開設。
-2011年5月 – 北海道警察山岳遭難救助アドバイザー医師に就任。
-2011年8月28日 – キリマンジャロ(5,895m/タンザニア)登頂。山岳医参加。(世界の果てまでイッテQ!登山部隊:角谷道弘,イモトアヤコ,立木早絵,大城和恵,石崎史郎他)
-2013年5月23日 – エベレスト[南東稜](8,848m/ネパール)に挑戦したミウラエベレスト2013隊に山岳医として参加。(ミウラエベレスト2013隊:三浦雄一郎,三浦豪太,倉岡裕之,平出和也)。このとき三浦雄一郎はエベレスト登頂世界最高齢記録更新(80歳223日)。
-2013年10月2日 – マナスル(8,163m/ネパール)登頂。山岳医参加。(世界の果てまでイッテQ!登山部隊:角谷道弘,イモトアヤコ,貫田宗男,奥田仁一,中島健郎,三戸呂拓也,大城和恵,門谷優,廣瀬あかり,石崎史郎,藤野研介,小野寺健)。
-2018年5月17日 – エベレスト[北陵](8,848m/チベット)登頂。(Kuraoka Guide Expedition:倉岡裕之,中島健郎,大城和恵,本池晋,前山敏行,上山弘平,伊藤孝浩)
(Wikipedia参照)
#三浦雄一郎 さんのチームは、全員がエベレスト登頂者。
左から2人目の女性は、医師の大城和恵さん。三浦さんについて「生物学的には明らかに86歳。きっちりサポートして、生還という結果で報告したい」と語りました。#86歳の挑戦 #アコンカグア @motokikanekohttps://t.co/CPkmt5pXnM pic.twitter.com/cq8aVIHSpC
— 朝日新聞東京編集局(コブク郎) (@asahi_tokyo) December 3, 2018
女性一人で富士山八合目(標高3250m)にある「富士山衛生センター」で勤務するとはすごいですね。
また、あの三浦雄一郎さんのエベレスト登頂世界最高齢記録更新(80歳223日)の時に大城さんが山岳医として同行したとは驚きました。
登山家の皆様にはこれ以上頼もしいお医者さんはいないでしょうね。