グルメ

昆虫食がブーム!日本は意外に先進的だった

スポンサー広告

「昆虫食自動販売機」というのがあるらしく、ちょっとした話題になっています。日本の自動販売機はいろいろな種類があることで有名ですが、ここまできたとは!

でも「昆虫食」と聞いて大抵の人は「えっ、虫食べるの?」とちょっとした驚きとあきらかな拒絶感を示すことが多いですが、意外にもニューヨークセレブの間では数年前にはちょっとしたブームになっていたし、普通に食用として食べる国はある、というか日本も食べる地域があります。

そんな「昆虫食」は今や地球の食料のみならず環境まで救う救世主としてヨーロッパをはじめとして熱い視線を注がれています。またプラスチックごみの問題と同様に、環境を考えたビジネスとして常識になりつつあります。それが「サーキュラー・エコノミー(循環型経済)」というものです。
なんだか難しそうですが「昆虫食が地球を救う!」というまっとうな考えのもと、私達の食生活に浸透しつつあります。

日本の昆虫食の歴史は古い

実は日本では古くから昆虫食は馴染みのあるものです。江戸時代以降は文献として記録に残っていますが、恐らくそれ以前にも稲作の伝播や養蚕の始まった飛鳥時代から食べられていたとの見解もあります。

有名なのは「イナゴ」の佃煮です。これは日本全国、稲作の影響で比較的どの地域でも手に入りやすく身近な昆虫として知られる昆虫食の代表格です。まだ50歳以上の世代では食べた経験のある人もいるのではないかしら。

南九州では「蜂の子」を食べたり、成虫に近いものを焼酎に漬けたりしています。そして意外に優秀なのが「蚕のさなぎ」です。絹をとるために蚕を育てますが、糸をとるには繭の状態のままにするためにサナギごと熱湯でゆでる必要があります。その時に糸以外のサナギを有効に利用したものです。この蚕のさなぎは、たんぱく源としてだけでなく漢方薬としても重宝され、日本だけでなく中国や韓国でも食されています。

こう見ると日本は昆虫食への抵抗感は少なく、生活の知恵として自然と受け入れてきたことが分かります。

国連も推奨する「昆虫食」のメリットとは?

昆虫食はある地域の食文化として、どちらかといえばゲテモノ扱いされていましたが、2013年5月に国際連合食料農業機構(FAO)の発表したレポートで一気に“昆虫食”がスタンダードになりました。

★「食品及び飼料における昆虫類の役割に注目した報告書」FAO発行

もっと「昆虫食」について知りたい方は>>> Insects for food and feed(FAO)

一般に昆虫食のメリットを語る時は「良質なたんぱく質が取れる」といわれますが、この報告書では大きく3つのメリットをあげています。
①環境的メリット、②健康的メリット、④社会的・生計的メリットです。簡単に説明すると、

  • 環境的メリット
    昆虫は飼料変換効率が高い。つまり昆虫は肉や魚と同じようにたんぱく質が取れます。そのたんぱく質を昆虫と家畜牛から摂取することを比べた場合、昆虫1キロを生産するのに必要な飼料と牛1キロを生産するのに必要な餌量は昆虫は牛に比べて1/4の量ですむため肉変換率が効率的
    それに加えて昆虫の排出する温室効果ガス(温暖化の原因の二酸化炭素)の排出量が少なく、逆に生活廃棄物を餌にして良質のたんぱく質に変える。また飼育にあまり水や土地を利用しない
  • 健康的なメリット
    昆虫は良質なたんぱく質や脂肪酸、鉄・マグネシウムなどの微量要素を含むため子どもの栄養補助食品として最適
    人に伝染する動物を媒介にした感染症の危険度が少ない。
  • 社会的で生計的なメリット
    昆虫を採集したり養殖したりすることで、生計の多様化になり、これらは少ない資本で行うことができる。また女性でも扱いやすいため現金収入を増やすのに役立つ。

ヨーロッパでは昆虫食の加工品が続々登場

環境問題に先進的なヨーロッパ諸国は早くも昆虫食のメリットに目をつけ、持続可能なビジネスとして企業が参入しつつあります。個々の国では製造・販売が許可されていた昆虫を利用した“昆虫フード”ですが、2018年1月からはEU全体で取引ができるようになっています。(昆虫食が食品として取扱いを承認された。日本の伝統食品も規制されていることが多い)

(JIMINI’S サイトより)

そのまま乾燥させたものはもちろん、コオロギを粉末状にしてクッキーにしたり、プロテインバー、固形のものをシリアルに混ぜたりと製品も食べ方もいろいろ。
なんかパッケージがおしゃれだと食べてみたくなりませんか?普通のスナックとして定着する日も早そうです。

スポンサー広告