誰でもプレゼントをもらうのは嬉しいことですね。また、頂いたら、心からお礼を言うべきです。
しかし、時として、心から喜べないプレゼントもありますよね。
サイズが違う靴、似合わない色の服、嫌いな食べ物などを貰ったら、あなたはどうしますか? このように困ったとき、英語圏では、「don’t look a gift horse in the mouth(贈られた馬の口を見るな)」と、小さな声で自分に言い聞かせて、嬉しそうにニコニコします。馬の口がどう関係するのだろうかと不思議に思いますが、このイディオムは古くから使われていたようです。
1546年に John Heywoodがで「No man ought to looke a geuen hors in the mouth.」と、中英語(Middle English)で同じことを記したそうです。
さらに、5世紀には同じ意味のラテン語の格言「noli…equi dentes inspicere donati」が存在したそうです。 欧米では昔は馬を贈る習慣があり、やり取りする典型的なプレゼントでした。
自動車が無い時代、馬は交通と運搬や農業に貴重な存在だったのです。
当時の人の気持ちを想像しますと、同じ馬を貰うのならば、若い方がありがたいですね。
実は、馬の年齢は歯の長さで分かるそうです。馬を贈られたら、その年齢が気になって、歯の長さを調べたくなるのが人情です。
しかし、貰った馬の口の中を露骨にのぞき込んだりしたら、贈り主はさぞ気を悪くすることでしょう。
「私のプレゼントに何か文句でもあるのか」と機嫌を損なう心配があります。 この格言の内容は現代の我々にはピンときませんが、今でも非常にポピュラーなイディオムなので、覚えて損は無いようです。