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「救急患者を断らない」ER - 山上浩救命救急センター長の理念

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3月24日(日)にTBSテレビで夜11:00放映予定の「情熱大陸(Vol.1045)」のテーマは【救急受入数日本一!「絶対に断らない男」が率いるERチームの怒涛の現場に密着!】です。

山上浩医師が救命救急センター長を務める神奈川県の湘南鎌倉総合病院の方針は「24時間365日、すべての救急車収容要請を受け入れる」ことです。

その現場の日々の密着取材が見どころです。

3倍の受け入れ患者数のER

湘南鎌倉総合病院(神奈川県鎌倉市岡本1370番1)ER(救命救急センター)の2017年度の実績を見ますと、総患者数は42,349 人だったそうです。

その内、救急搬送患者数(Drヘリ含む)13,705 人、救急搬送患者数のうち入院した患者数5,174(入院率37.8%)で、その他のウォークイン患者数は28,644 人でした。

これは一般の救命救急センターの3倍の受け入れ患者数です。

この凄まじい現場を取り仕切りながら、優秀な人材を育てているのは山上浩(やまがみ ひろし)救命救急センター長です。

山上センター長は1979年福岡県生まれの40歳です。

福井大学医学部卒業後は内科医を経て、2013年には湘南鎌倉総合病院救急総合診療科部長に、そして、2018年に救命救急センター長に就任しました。

湘南ERの特徴

この救命救急センターの特徴の1つは、女医さんの割合が大きいということがあるようです。

一般的に男性医師が多いERとしては珍しく、所属する21人のうち6人が女性のメンバーです。

ERスタッフとして6名(救急科専門医 5名、女性医師 1名)および専攻医は15名(女性医師 5名)の構成です。

山上センター長は「救命救急に男女の能力の差はない」と考え、数年前から積極的に女性を採用し続けてきました。

もう1つの特徴について、篠崎伸明院長は医療法人の根本的な理念哲学を以下のように述べています。

『これからも「生命だけは平等だ」の徳洲会の理念哲学を、この鎌倉の地で実現させるべく、これからも「年中無休、24時間オープン」、「救急患者さんは決して断らない」、「患者さんからは一切贈り物は頂かない」、「患者さんの目線で病院を造る」を実行していきたいと思います。』

(医療法人沖縄徳洲会 湘南鎌倉総合病院HPより)

著書「ER・救急999の謎」

山上浩医師は、医学生、研修医や若手医師に救急医療の醍醐味を感じつつ楽しく学べるようにと、「ER・救急999の謎」(メディカルサイエンスインターナショナル出版)と題された本を2017年に共著しました。

本書の監修を担当した志賀隆医師( 国際医療福祉大学三田病院救急部部長)がER担当者の苦労と今後の希望について述べています。

『……救急医は他の専門科から「素人集団」、「研修医の延長」、「便利屋」、「夜や 週末だけいてくれればいい」などいろいろな見方をされることもあります。

やっぱり「キツイ、汚い、危険」な 3K職場である救急外来は、医学生・若手医師 に避けられてしまうのでしょうか? 実際はそうではありません。

救急科専門医は毎年増えています。

(中略)

そして、米国のように、救急医学が単なる「便利屋」をはるかに通り越し、「最も人気のある専門科」の 1つになることを願っています。』

確かに、アメリカの人気テレビドラマではカッコ良いERの医師が主人公のものが多いですね。

しかも、女医がメインキャラクターのストーリーも多くあるようです。

前向きに解決を

湘南ERの山上センター長が大切にしている言葉の一つは、「湘南ERの診療を求められたとき、それを断る理由を探すのではなく、いかにすれば応えられるかを柔軟に考える

日々様々な課題に直面するが、どんなときも前向きに解決策を考えていきたい。」とあります。

このような考えの医師が緊急事態に対応してもらえば、これ以上の望みはないと思います。

山上医師にはどんどん優秀なER専門医を育ててもらいたいと切に願います。

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