9月19日木曜午後10時からテレビ東京系で放送予定の「カンブリア宮殿」では、【世界が認めるメード・イン・ジャパン 失敗から宝を生み出す地方メーカー】がテーマとなっています。
ユニクロの人気商品ジーンズの裏にあるデニム生地のメーカー”カイハラ”の代表取締役会長 貝原 良治(かいはら よしはる、1943年生)がゲストです。
【明日放送】「カンブリア宮殿」でデニムのカイハラを特集。年間800種類の生地を開発する舞台裏を解剖します。https://t.co/qGKzybtVLS pic.twitter.com/rfBpUyfkKI
— FASHIONSNAP.COM (@fashionsnap) September 18, 2019
ユニクロだけではなく、リーバイスやエドウインなど国内外300を超えるブランドのジーンズ生地を作っている『世界が認める”カイハラ” - その裏に数えきれない失敗』について貝原会長が語ります。
“カイハラ”の一番の強みは開発力で年間800種類の生地を開発、その裏には山ほどの失敗があるが、その失敗にこそ”お宝”があると会長は言います。
広島・福山市で126年続く老舗企業
広島県・福山市は、古くから備後絣(かすり)の産地として栄えました。
カイハラ株式会社となる企業の初代代表の貝原助治郎氏は、1893年に広島県芦品郡常金丸村(現福山市新市町常)に手織正藍染備後絣織物業を創業しました。
創業者は絣の製造技術を学んで、当初は「マルス」という商標を掲げていました。
皆さんが持っている #ジーンズ もそうかも!今週は #広島 の老舗「#カイハラ」が登場。世界が認める #デニム 生地を作るカイハラは、年間800種類を開発!ジーンズの奥深さを知らされる開発力には世界のブランドたちが信頼を寄せている。メードインジャパンの底力に迫る!https://t.co/zpCvHoTXyz
— カンブリア宮殿 (@cambrian_palace) September 17, 2019
当時は日清・日露戦争の真っ只中で、困窮した時代でしたが、業績は順調に伸び、創業から10年で社員30人を抱え、年間5000反の絣を製造するまでに成長しました。
1920年には助治郎の息子、覚が家督を継ぎ、事業の拡大を続けます。
しかし、1941年に太平洋戦争が勃発し、経営危機を迎えます。
日本が誇る名門、カイハラの生地を採用した1本です。https://t.co/d8BZvLgPBP pic.twitter.com/0TpBdVUUNb
— GQ JAPAN (@GQJAPAN) August 25, 2019
平和の象徴:ジーンズ
戦後は様々な危機を乗り越えて、色々な工夫で生地の海外への輸出にも成功しました。
洋服用広幅絣の製造等に成功し、事業の拡大もありました。
しかし、その後、海外の需要減や為替レートの変化などで度々厳しい経営環境に陥りました。
ところが、1960年代に入ると、ベトナム戦争に対する反戦運動が盛り上がり、平和の象徴として世界中の若者たちがジーンズを履くようになっていました。
そこで、機織り会社や衣料品メーカーが、絣で培った技術を応用してデニム生地を作って欲しいと依頼されたのです。
その頃、日本初のジーンズブランドも誕生しており、今にも続くデニム需要が本格的に始まりました。
“カイハラ”は絣製造からデニム生地製造へと事業を大きく転換しデニムファクトリーへの道を歩み始めました。
今夜はあなたもきっと知らずにはいているはず!
#ユニクロ からハイブランドまで300社が頼る“究極の生地メーカー #カイハラ。
「濡れない生地」に「燃えにくい生地」など年間800種類の生地を新開発!
世界が称賛しているにもかかわらず、自称「世界一失敗する会社」とは?メードインジャパンに迫る! pic.twitter.com/7fDXwpfbWz— カンブリア宮殿 (@cambrian_palace) September 19, 2019
ロープ染色の技術
ジーンズの生地を想像すると、新品の時のブルーを先ず思い浮かべますが、はいているうちに、かすれて色が薄くなってくるのがジーンズの「味わい」ですよね。
しかし、従来の日本メーカーの絣の染め方ではこのデニムの特徴は出なかったそうです。
それで、デニム生地製造へと舵を切ったカイハラですが、早くも困難に直面しました。
絣の製造では、糸を芯まで染める綛染(かせぞめ)という手法を用いていたのですが、それではデニム特有の色落ちが生まれなかったのです。
アメリカでは糸をロープのように束ねて染色しているという情報を得て、独自に開発していた“液中絞り”という絣製造の技術を応用し、ロープ染色機の開発に挑戦します。
そして、7ヶ月をかけて1970年に日本初のロープ染色機が完成。
本格的なデニム生地製造の足がかりを築きます。
このロープ染色の成功が業界で知れ渡って、まもなく注文が殺到しました。
ついに、1973年にリーバイス社からオーダーを受け、デニム生地メーカーとして世界から注目を集めることとなりました。
【今日から】カイハラ「茶綿デニム」「白綿デニム」のジーンズを製造、藤巻百貨店が独占販売https://t.co/NY1DN26Cgr #KAIHARA pic.twitter.com/srrWRgqDua
— FASHIONSNAP.COM (@fashionsnap) January 12, 2018
ジーンズはアメリカの象徴的ファッションだと思っていましたが、今支えているのは、日本の生地と絣の技術だったとは驚きです!
企業概要
現在、カイハラは福山市に4つの生産拠点を構えるほか、タイにも工場を新設して国産と同等のクオリティのデニム生地を製造しています。
国内シェアは約50%で、残りの50%の輸出先は約30カ国にのぼります。
カイハラ株式会社
創業:1893年(明治26年)
設立:1951年(昭和26年3月)
資本金:1億5千万円
代表者:
代表取締役会長 貝原良治
代表取締役副会長 貝原潤司
代表取締役社長 貝原 護
従業員数:720名(2019年5月現在)
事業内容:デニム素材の一貫生産(紡績、染色、織布、整理加工)及び販売
主要取引先:ファーストリテイリング、リーバイス、ユニチカトレーディング、双日、三菱商事、東レ、東レインターナショナル、豊島、伊藤忠商事、綾部紡績、バロック・ジャパン・リ ミテッド、カイタック他
エンドユーザー: ユニクロ、EDWIN、Levi’s、Lee、GAP、JCREW、AG、Rag&Bone、moussy、 オンワード樫山、ワールド、レナウン、SEVEN、POLOなどの国内外主要ブランド(順不同・法人名称)
事業所所在地:
本社( HEAD OFFICE )
〒729-3107 広島県福山市新市町常1450
Tel : (0847)57-8111 Fax : (0847) 57-8811
〈販売拠点〉 東京オフィス ( TOKYO OFFICE )
〒103-0003 東京都中央区日本橋横山町5-2(7F)
Tel : (03) 5614-2520 Fax : (03) 5614-2521
〈生産拠点〉 本社 工場
〒729-3107 広島県福山市新市町常1450
Tel : (0847) 57-8111 Fax : (0847) 57-8811
ユニクロのカイハラもあるけども pic.twitter.com/URgEipiOvi
— 肇屋米穀店(二代目店主) (@8545fPjtMboAmX7) January 20, 2019
タイ法人:
KAIHARA(THAILAND)CO.,LTD.
設立:2014年(平成26年3月)
代表取締役社長:羽場秀昭
従業員数:335名(2019年5月現在)
事業内容:デニム素材の生産(染色、織布、整理加工)
事業所所在地:Ratchaburi Industrial Estate,155/109 Moo 4, Tambol Chetsamian, Amphur,Photharam, Ratchaburi Province 70200 Thailand
Tel :(010)663-2375-900 Fax :(010)663-2375-901