グルメ

『ヒラメ』を美味しくする - 神経締め師塩谷孝とフレンチの河合隆良シェフ

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6月22日(土曜日)あさ9時半にテレビ朝日で放映予定の「食彩の王国第785回」のテーマ食材は『ヒラメ』です。

「白身魚の王様・下北半島のヒラメ」を獲る人、締める人と美味しく料理する人が紹介されます。

番組「食彩の王国」のテーマは“食”に関する現代社会の志向、ムーブメントを、「食材」という切り口から見ようと言うことだそうです。

そして、今回取り上げる食材に『ヒラメ』が選ばれました

ヒラメフレンチが評判の店

フランス料理と言えば「ヒラメ」と連想する人は少ないかも知れませんが、産卵のために脂を蓄えた初夏の身がふっくらとしたヒラメを料理する評判のフレンチレストランが東京・東麻布にあります。

Chez TAKA Higashiazabuの河合隆良シェフはヒラメを使ったフレンチの伝統料理を提供しています。

まず身を厚めに切って、弱火でじっくり火をいれます。

バターを加えて薄く焦げ目を付けたら…ここでフレンチの技。

“アローゼ”という手法を用いて、身に旨味が沁込むよう工夫します。

さらにソースは、ヒラメのアラでとった出汁にコーンスターチでとろみを付け、ドライトマトのみじん切りとバターでコクを出すと…フレンチの技が詰まった一皿の完成です。

白身魚の王様・下北半島のヒラメ

新鮮なヒラメが揚がると評判の場所は、青森市内から車で4時間の下北半島・佐井村にあります。

この村は、今は全国でも有数の漁獲高を誇る産地として知られています。

通年、太平洋と日本海の魚が行き交う好漁場で、特にこの季節は評判の漁場です。

朝5時頃、定置網船に乗って産卵のために浅瀬に寄ってきたヒラメを狙うそうです。

「神経締め師」

青森市内で全国から注文が殺到する鮮魚店があります。

有限会社塩谷魚店(青森市)の3代目店主の塩谷孝さんは、県内の選りすぐりの魚だけを仕入れています。

目利きもさることながら、さらに魚をよりおいしく味わうためのとっておきの技が“神経締め”です。

いつ、どのような料理に使うかによって血抜きの分量や時間を調節し、それぞれのオーダーに合った締め方で提供しています。

塩谷さんが神経締めに取り組み始めてから、ありとあらゆる方法を試して独学で“神経締め”の技にいきついたのです。

今では数々の料理人が塩谷さんの元を訪れます。

地元でイタリアン料理店のLINCE(青森市新町)を営む滝沢英哲さんは塩谷魚店のファンの一人。

購入してすぐに使用するヒラメは身のフレッシュ感を活かすため、マリネに。

さらに数日後に徐々に旨味が出てくるようにと注文したヒラメは一夜干しにして使うと言うのです。

村おこしの神経締め

ヒラメの名産地・佐井村では7年程前、ある悩みを抱えていました。

それは質の良いヒラメは揚がるのに県外への輸送が難しいこと。

村の将来を憂いた漁協の福田忍さんたちは塩谷さんに鮮度を保つ神経締めを教えてほしいと依頼。

塩谷さんは快く引き受け講習会を開きましたが、血抜きのために尾を切ることが、魚が傷物になると、どうしても受け入れられず一度は喧嘩別れのようになってしまいました。

しかしその後、福田さんは密かに神経締めを試し、出荷してみると市場からの評価も高く、改めて塩谷さんにお願いをします。

佐井村の将来を案じていた塩谷さんは、以前より技術を磨いてもう一度講習会を開きました。

今では2000キロ離れた沖縄の高級ホテルにも佐井村のヒラメが届き、喜ばれているほどです。

 

この「仲直り」のおかげで日本中でも美味しい下北半島のヒラメが食べられるようになったのですね。
良かったです。

番組で紹介された店の情報

【旬の食材で上質な料理が味わえるフレンチ】

Chez TAKA Higashiazabu

ランチコース 3,000円 / ディナーコース 7,500円(税抜)
住所:東京都港区東麻布1-20-3
電話:03-5797-7687

【選りすぐりの魚が購入できる鮮魚店】

(有)塩谷魚店

住所:青森県青森市本町5-10-7
電話:017-734-8221

【新鮮なヒラメ料理が楽しめるイタリアン】

L I N C E

住所:青森県青森市新町2-6-18 パリスビル1F
電話:017-752-1880

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