「王道と革新、2人のカレーSP」と題されたNHK番組「プロフェッショナル 仕事の流儀」が4月23日火曜午後10時30分から NHK総合テレビで放送されます。
番組内容の紹介では、「日本人が愛してやまないカレー。
対照的な2人の料理人の物語。
王道といわれる、ルーを使ったカレー一筋37年の小美濃清と、いま新定番として最も注目される“スパイスカレー”の人気を牽引する植竹大介に密着!」とあります。
この「王道」編では「欧風カレー&シチュー専門店 トマト」の小美濃清オーナー・シェフが評判のカレーに到達するまでの道のりを見てみたいと思います。
来週は、日本人が愛してやまない #カレー。王道と革新、2人のカレー料理人に密着しました。こらえようがないくらいカレーが食べたくなること間違いなし…。カレーの奥深き世界、、お楽しみに!
23(火)よる10時半~#NHK #プロフェッショナル#小美濃清 #植竹大介 pic.twitter.com/5j19I1rfRU
— プロフェッショナル仕事の流儀 (@nhk_proff) April 18, 2019
目次
手間を惜しまない「王道」カレー
「王道の小美濃は、とびきりの食材と手間暇で作り上げる滋味豊かな一皿で客の心を掴む。」と番組の紹介にあります。
「王道」を行く小美濃清(おみの・きよし、70)オーナー・シェフは、今年で38年目となるカレーを作るのに、伝統的な手法で丁寧な下ごしらえを続けてきました。
また、一週間寝かせたルーで手間暇を重ねて作り上げる一皿はまさに極上だと、有名グルメサイトでも日本一を獲得しています。
欧風カレー&シチュー専門店「トマト」のカレーは人生で食べたカレーの中でもトップクラスの味だった pic.twitter.com/kx264F2Lvp
— 丸太 (@sibamarutarou) October 1, 2017
銭湯の仕事からロシア料理レストランのアルバイトをするまで
小美濃さんは、高校を卒業した当時は、家業となっていた銭湯の仕事を覚えるために、2年弱ほど銭湯で働いたそうです。
しかし、1960年代が終わろうとしていた頃となり、もう銭湯の時代ではないと感じて、将来の勉強になると思い、飲食店のアルバイトを始めました。
一年間、とんかつ屋、ラーメン屋、うなぎ屋、洋食屋といろいろな店で働き、そこでの経験から、料理は自分に合うかもしれないと思うようになったそうです。
そこで、ちょうど大阪万博の年、1970年に新宿調理士学校の西洋料理科に1年間通うことにしました。
また、通学しながら、渋谷の「サモワール」(現在は池尻大橋に移転)というロシア料理レストランでのバイトもしていました。
修行は大阪の「BOON」
小美濃清さんは新宿調理士学校の西洋料理科卒業後の就職先としていろいろな店をあたりましたが、大阪にあった「BOON(ブーン)」という高級西洋レストランで働くことになりました。
就職先を決めるのに、若い小美濃さんは、どこかで「これからは牛肉の時代が来るのではないか」というのを耳にして、牛肉の扱いを勉強できる店を探しました。
この要望を専門学校の先生に話したところ「それならば、関東よりも関西だろう」とアドバイスをしてもらいました。
しかし、ちょうど大阪万博が終わった年で、コックさんが余っている状況で大阪ではなかなか採用してもらえる店が見つからなかった中、唯一紹介してもらった店が、幸いにBOON(ブーン)でした。
トマト(荻窪/欧風カレー、カレーライス) https://t.co/N4tMbTcE1l 食べログのカレー部門東京都で堂々の第1位!欧風カレー&シチュー専門店「トマト」一度ランチに行きましたが、食べられず(涙)リベンジです!平日の10時前に荻窪駅に到着とりあえず南口の商店街を歩いてお店の方へ開店1時間30分前で3人の… pic.twitter.com/lztRHZji3p
— 東京食べログ新着 (@TYOtabelog) October 1, 2018
三ノ宮の「バーグ」で肉担当
BOONでは貴重な勉強を重ね、良くしてもらったのですが、いずれは自分の店を持ちたいと思っていた小美濃さんは、もっと「忙しい」店を経験したいと、三ノ宮にあった系列店の「バーグ」という、ハンバーグやフライやピカタなど洋食料理をメインとするレストランに転職しました。
この店は、昼には300食以上も出るような忙しい店でした。
入店して間もない頃、肉担当の責任者が転職することになり、「ブーン」で働いていたということで、小美濃さんがその肉担当につくことになりました。
良い経験だったのですが、ほとんど休めない激務だったため、半年くらい経つと、体がついて行けなくなって、夜、店で倒れてしまいます。
翌朝出勤してきた店員達に病院へ運ばれるようなことになってしまいました。
そこで、一旦東京へ戻り「充電」するようにと、休暇をもらうことになりました。
資生堂パーラーで仕上げの勉強
小美濃さんが東京で「充電」していると、調理師専門学校時代の友人から、「資生堂のビルを改装するから、東京にいるなら来ないか」と誘われたそうです。
そこで、結局、大阪には戻らないで、バーグを退職し、資生堂会館(のちの資生堂パーラービル)のパーラー部門(のちの資生堂パーラー)に移ることになりました。
そこで、最高の食材と最高の料理を目の当たりにして、西洋料理の仕上げの勉強ができました。
荻窪の欧風カレー&シチュー専門店「トマト」に並び中。 pic.twitter.com/45FNZielNE
— fumi (@SegareNine) November 23, 2018
「トマト」の開業
「トマト」が開業したのは、1982年、2月4日で、最初は、奥様と2人で営む欧風家庭料理の店でした。
朝7時の開店から夜の2時の閉店まで、メイン料理からデザートまで提供し、貸切パーティーなど、何でも対応する店だったそうです。
しかし、体力的にも、長く店を続けるためには、メニューを縮小する必要を感じて、思い切って、店で人気のあった「カレー」と「シチュー」に絞って専門店にしたそうです。
口コミでお勧めのメニューは:
和牛ジャワビーフカレー(辛口): 1,890円
ビーフタンカレー(中辛): 2,380円
小美濃 清氏インタビュー(欧風カレー&シチュー専門店 トマト): 長く続けていきたいからこそ、料理の数を絞り、自分も健康になれるものにこだわった https://t.co/x8cl9XAkpH#Foodion #インタビュー #カレー #欧風カレートマト
— Foodion (@foodion) August 28, 2018
店名の「トマト」のワケ
小美濃清オーナー・シェフは店名の由来についてこう説明しています。
「トマトは、カレーにもシチューにも実は大量に使うんですよ。
それにトマトは栄養満点で、医者いらず、と言われますよね。
あとは、ひとつの枝にいくつもの実が鈴なりにつくから、お客さんがたくさん来てくれるといいな、という思いも込めています。
ちなみに、うちのカレーはトマトが嫌いな子でも食べられるんです。
そういうカレーを作りたい、という思いもありましたね。
何より、トマトって赤くてかわいいでしょう?
前から読んでも後ろから読んでもトマトですしね(笑)。」
(「Foodion」引用)
店舗情報
欧風カレー&シチュー専門店 トマト
住 所:東京都杉並区荻窪5-20-7 吉田ビル1階
(JR中央線「荻窪駅」南口から徒歩4分)
電 話:03-3393-3262
営業時間:ランチ11:30~13:30(売り切れ次第終了)
ディナー18:30~20:30(売り切れ次第終了)
定休日:水曜日・木曜日
評判の小さい店なので、入店まで並ぶのは当たり前のようですが、是非この美味しそうな「王道」のカレーを食べてみたいですね。