現在、世界中でピーナッツが栽培されていますが、今までどこが原産地か、考えたことがありませんでした。
考古学的には、ペルーで発掘したピーナッツの殻が最古のもので、7600年前の野生の品種だと推定されています。
驚くことに、紀元前800年頃には既に南米およびカリブ海の各地で食糧、薬品や飼料として栽培されていたようです。
大航海時代にヨーロッパ人がピーナッツを本国へ持ち帰りましたが、「土の中に出来るナッツ」に違和感があったようで、当初はあまり流行らなかったそうです。
16世紀中頃、西アフリカとブラジル間ではポルトガル人による奴隷貿易が盛んで、彼らは主に奴隷の食料としてアフリカでピーナッツ栽培を促進しました。
これがきっかけで、アフリカ各地やポルトガル領インドでも栽培が広がったそうです。
また、この時期に、南欧州でも栽培が始まったようです。
英語で落花生をpeanuts以外の名前で呼ぶことは考えにくいのですが、昔は、「goober」と呼ばれていたことがあったそうです。
名残として、ピーナッツが原料となっているお菓子に、グーバーが付いているものが今でもあります。
Gooberの語源は、アフリカのコンゴやアンゴラ地方で使われているkikongo(キコンゴ)語の「n’guba(ングバ)」という単語だと言われています。
西アフリカから連れてこられた奴隷たちが、アメリカ南部で食糧として育てていたようです。
アメリカの南北戦争(American Civil War, 1861-1865)が激化し、北軍が南部へ進軍するのにつれ、彼らの糧食が不足し初めました。
そこで、gooberを地元民にならって食べてみたら、美味でお腹を満たすのに充分な食糧だと分かったのです。
彼らはこの新しく発見した食材をテーマに、「Goober Peas」という歌にまでしたのです。
戦後でもグーバーの需要が伸び、全国的にはpeanutsの名で親しまれるようになりました。
日本には東アジア経由で1706年に落花生が「南京豆」として伝来したそうです。
今は日本では、落花生は毎日のおやつ、酒のつまみ、お菓子の材料としては欠かすことが出来ない食品になりました。
また、我々が大好きな中華料理にもふんだんに使われますね。
長い歴史を経て、世界で愛される「土の中に出来るナッツ」となりました。