アメリカの歴史上の人物、George Washington Carverをご存知ですか?
と問われても、初代大統領の名前に何かが付いているだけと思ってしまいますね。
実は、ジョージ・ワシントン・カーヴァーは大統領のワシントンとは全く別の人物ですが、George Washington Carver(1864-1943)とは、アメリカ人ならば誰もが知っている、農学分野の偉人の名前なのです。
米国海軍の原子力潜水艦USS George Washington Carverに彼の名が付くほどアメリカの偉人です。
彼は、ドイツ系移民モーゼス・カーヴァー(Moses Carver)所有の黒人奴隷の子として、ミズーリ州に生まれました。
ジョージが大きくなるのにつれ、植物に対する強い好奇心を持ち始め、本格的な農業の勉強を始めました。
奴隷制度廃止後、彼の優秀ぶりが認められて、白人が主に通う大学への入学が許されました。
当時の強い人種差別の環境下では、この入学は異例なことでした。彼は大学で修士号を取得し、1896年にアラバマ州のタスキーギ研究所(現、タスキーギ大学)に入所しました。
後に、ここの農学部長に就任し、長い間そのポストで勤めました。
カーヴァーが有名となった業績の一部は、下記の紹介の通りです。
「綿の連作で消耗した土を用いて農業を行う、貧しい南部の農民達の苦境に興味を持ったカーヴァーは、消耗した土壌に窒素を補給するためピーナッツ、大豆のような豆科植物と綿花を交互に栽培し、窒素循環を行うことを主張した。
この結果綿花の栽培は改善し、新しい作物が加わることとなった。
カーヴァーは農民達にこれらの作物の栽培法と、作物の新たな用途を開発するためアラバマ州で農業拡張システムを開発した。
ピーナッツを有効に活用するため、カーヴァーは油分の多いピーナッツを原料として、マヨネーズ・チーズの食料品や、石鹸・接着剤や印刷用インク等の生活用品まで、300を越える新しい用途を考案した。
しかしながらこれらの中にピーナッツバターは含まれていなかった。
彼はペカンやサツマイモでも同様の調査を行った。
彼は地球上から全ての食料が無くなったとしても、ピーナッツとサツマイモだけで人間を養う十分な食料を供給することができるかもしれないとしばしば話した。」(ウィキペディアの抜粋)
1941年の米国タイムス誌が、ジョージ・ワシントン・カーヴァーを「Black Leonardo(黒いダビンチ)」と称するほど、彼の画期的な開発が注目されていました。
私はこの偉人の話を知ったことで、今までとは違った気持で南京豆と薩摩芋を食べることになりそうです。