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沖縄のオリオンビール - 野村HDと米カーライルが買収へ

野村ホールディングスと米投資ファンドのカーライル・グループが、国内5位のビールメーカー、オリオンビール(沖縄県浦添市、与那嶺清社長)の買収を検討していることが明らかになりました。

オリオンは非上場会社ですが、TOB(株式公開買い付け)により傘下に収める方針とみられています。

オリオン側には投資家グループのもとで、海外展開の強化を含め経営改革を加速させる狙いがあるとみられています。

オリオンビールは1957年沖縄県で創業

野村ホールディングスと投資ファンドの米カーライル・グループは国内のビール売上高5位のオリオンビールを共同で買収する方針を固めたと報道されています。

TOB(株式公開買い付け)を実施する準備を進めており、買収金額は数百億円になるとみられています。

オリオンは1957年設立の沖縄県を地盤とする非上場のビール会社です。

オリオンビールが2002年に資本・業務提携したアサヒビールは発行済み株式の10%を保有する筆頭株主となっています。

野村とカーライルは個人を中心に約600人いる株主から株式を買い取る一方、アサヒとの提携関係は継続する見通しとなっています。

国内ビール売上の伸び悩み

オリオンビールの2018年3月期の連結売上高は前の期比1%増の283億円だが、純利益は17%減の23億円と伸び悩んでいます。

また、全ての日本のメーカーは“ビール離れ”に苦戦しています。

国内ビール大手5社が2018年のビール類の出荷量(課税出荷数量)を発表しました。

それによりますと、ビール類出荷量は14年連続で過去最低を更新してしまいました。

背景には消費者の“ビール離れ”があるとの指摘が多いようです。

消費者が缶チューハイなど、アルコール度数が高いうえに価格帯が低いアルコール飲料を選好するようになっていると分析されています。

2018年、国内のビール類市場におけるシェアランキングにおいて、トップはアサヒビール(37%)でした。

2位はキリンビールの34%、3位はサントリービールの16%、4位はサッポロビールの11%、5位はオリオンビールの1%でした。

オリオンビールの海外戦略

国内の需要低下が見込まれる中、沖縄を地盤とする国内第5位のオリオンビールは、外国人観光客の増加を足掛かりに、台湾や北米での売り上げ増加を目指しています。

オリオンビールは野村ホールディングスなどの傘下に入ることで、海外戦略を強化しようとしています。

ビールの生産を本業としない投資ファンドなどがオリオンビールの成長を実現できるか否かはまだ不透明ですが、同社にとって現状を維持することは衰退に直結しかねないとの危機感はかなり強いようです。

カーライルは米に拠点を置くファンドのため、北米販路の開拓などで支援を受けられることの期待があるようです。

買収後は株主が野村、カーライル、アサヒと限られるため、迅速かつ果敢に経営判断をしやすくなる見込みです。

海外展開を一段と加速する可能性が高いと見られます。

地元沖縄の反応は複雑

地元メディアによりますと、沖縄県、特にビール工場のある名護市では地元住民の間では、買収に対する期待と不安が入り混じっているようです。

琉球新報の取材によりますと:

名護市では、オリオンビールは夏祭りやクリスマスイベントの中心的存在だ。夏には名護市営市場でビアガーデンが行われており、市営市場を運営する資源活用管理協会の池間學理事長(68)は「名護に限らず沖縄を代表する企業で、地域振興に非常に貢献している。従来通り地域を一緒に盛り上げていけるかが、少し心配」と語った。名護市で居酒屋を経営し、昨秋発売された名護限定の75ビール立ち上げに携わった神谷康弘さん(46)は「沖縄に根付いた企業なので、企業として強くなる一方で、今までと変わらぬ愛情で地域を支えてほしい」と求めた。

「オリオン」は一般公募で選ばれた

オリオンビールのホームページによりますと:

オリオンの由来は、一般公募によるビール名募集により「オリオン」が採用されました。「大衆に親しみやすく呼びやすい名称を」と、新聞紙上に懸賞 金付きの募集広告がだされたのが1957(昭和32)年11月1日のことでした。賞金は1等B軍票1万円(83ドル40セント)、2等B軍票3,000円 (25ドル)、3等B軍票2,000円(16ドル70セント)でそれぞれ1名ずつでした。

- 中略 -

講評によると、オリオン座は南の星であり沖縄のイメージにマッチしていること、また星は人々の夢やあこがれを象徴すること、さらに当時沖縄を統治していた米軍の最高司令官の象徴が”スリースター”であったことなどが選定の理由となりました。

沖縄から世界のORIONへ

沖縄の愛飲家の間では、「長年オリオンを飲んできた。沖縄が誇れるビールとして、世界に進出するのはうれしい」と言う声も多く聞かれるそうです。

日本中、泡盛と並んで、沖縄と言えば「オリオンビール」を連想する飲兵衛が多いと思います。

この「ローカルブランド」が世界でも愛されるようになれば嬉しいですね。

ハワイでオリオンビールを飲むなんて、想像しただけでも楽しいと思います。