こんにちは、杏{あん}です!
フィギュアスケートって(見ている分には)優雅な競技ですよね!
スイーと滑ってクルクルッと回る・・・
あーこけちゃった!今日の衣装カッコいい!!
なんて思っているうちに演技が終了して得点発表。

ジャンプの失敗もないしいい感じ⇒あれ、思ったより点数低いな・・・
転倒したしあんまりだったかな⇒お?これでこの点数でちゃうの?
なんてキス&クライで一喜一憂する選手を尻目にこんなことを思ったことはありませんか?
今回はフィギュアスケート初心者である私のような方でも分かりやすいフィギュアスケートの得点の基本や採点方法について書いてみます!
美しい選手の舞の裏には綿密な得点への計算がされていたのです!!
フィギュアの基本的な採点方法
「ISUジャッジングシステム」という国際スケート連盟 (ISU) が規定したフィギュアスケートの採点方法は2003年から用いられています。
今回はISUジャッジングシステムに則った形で書いていきます。
余談ですがなぜ2003年に従来の採点方法から変更したかというと、2002年のソルトレイクオリンピックでの審判の不正疑惑のスキャンダルがあり、採点から極力主観性を除き、しっかり点数で出していこうという動きになったのだそうです。⇒ソルトレイクのフィギュアスキャンダル
ISUジャッジングシステムでは技術点「TES」・構成点「PCS」・ディダクション(減点)を算出し、それらを合計した総合得点によって勝敗が決まります。
その総合得点が同じだった場合はフリースケーティングの得点が高い選手が上位に、それぞれ同じ点数だった場合は構成点が高い選手が上位となります。
構成点も全く同じだった場合は同一順位となります。
ショートプログラムよりフリースケーティングのほうが独自性が出る分、ジャッジも重きを置いているのでしょうね。
技術点「TES」とは
技術点は選手が実行した各規定要素(エレメンツ)に対して与えられる得点の合計点です。
ジャンプ
踏み切り方と回転数に応じた基礎点が決められている。
そこに出来栄え点(GOE)が加わります。
主な基礎点は以下の通り。(単独ジャンプの場合)
ジャンプの種類 | 基礎点 |
2アクセル(2A) | 3.30 |
3トゥーループ(3T) | 4.30 |
3サルコウ(3S) | 4.40 |
3ループ(3Lo) | 5.10 |
3ルッツ(3Lz) | 5.30 |
3アクセル(3A) | 6.60 |
4トゥーループ(4T) | 10.30 |
4サルコウ(4S) | 10.50 |
4ループ(4Lo) | 12.00 |
4フリップ(4F) | 12.30 |
4ルッツ(4Lz) | 13.60 |
サルコウやらルッツやらの技の違いは踏み切りの左右の足、エッジの向きなどで決められていますが、初心者には見分けるのが非常に難しいので解説で聞いて、「ふんふん、この技はこの点数だなー」程度でいいと思います(笑)
点数が高くなる技ほど難易度が上がる、という認識でOK。
ジャンプが自分で見分けられるとかなりのフィギュア通ですね!
疲れが溜まる演技の後半のジャンプは基礎点が上の表から1.1倍されます。
逆に1/4回転以上の回転不足は基礎点が70%に、1/2以上の回転不足は1回転少ないジャンプの基礎点となる。(=ダウングレード)
これを見ると狙っていた技が回転不足になるとグッと点数が下がるのがわかりますね。
浅田真央選手が代名詞ともいえる「トリプルアクセル」の回転不足で2Aになると基礎点がかなり下がることから確実に決められる他のトリプル技にした方がいいと言われていました。
しかし浅田選手は敵は自分自身とでも言うかのようにひたむきにトリプルアクセルにこだわっていて、その姿勢が多くの人の心を打ちましたね!
男子の得点が女子より高いのは、このジャンプの基礎点が回転数によってこんなに違うからなのです。
男子は4回転が飛べて当たり前の時代になってますからね。
男子と女子の最高得点は総合得点では90点ほど離れています。
<参考:最高得点(2018年1月現在)>
男子:羽生結弦(日本)
330.43 (2015年グランプリファイナル)
女子:エフゲニア・メドベージェワ(ロシア)
241.31 (2017年世界国別対抗戦)

このお二人は平昌オリンピックにも出場します。
男女共金メダル筆頭候補!!
オリンピックの大舞台での歴代最高得点の更新にも期待がかかりますね!
また得意だからといって同じジャンプを飛んでいいのは2度までで、3回目以降は無効になってしまいます。
織田信成さんがよく3度同じジャンプを飛んで採点に泣かされていましたね。
出来栄え点(GOE)
各ジャンプには基礎点に加え-3~+3点の出来栄え点(GOE)がつきます。
GOEとはGrade of Executionの頭文字。
演技のグレードという意味ですね。
上記で記載したようにジャンプの種類別に踏み切り時のエッジを内側に倒す(インエッジ)か、外側に倒す(アウトエッジ)かが決まっていて正しい側で倒れていないと減点対象になってしまいます。
これはもうスケートに精通していないと微妙な体重の乗せ方で変わるインエッジ・アウトエッジを瞬時に見極めるのは難しいですね。
一方初心者でもこのGOEの加点でわかりやすいのが、ジャンプ中に手を上げる、ジャンプの前後にステップを入れるなども加点対象です!
これらをすることで少し見栄えがよくなったり難易度が上がるからでしょう。
浅田真央さんは連続ジャンプの最後に手をあげて回る!というイメージが強かったですね。それはこのGOEを意識してのことだったのです!
ステップ&スピン
ジャンプのような派手さはありませんが、ステップとスピンにもそれぞれ基準があり、レベル1~レベル4の4段階で評価されています。
こちらもレベルによって基礎点があり、GOEでの出来栄え点が-3~+3で加算されます!
ジャンプの合間の体力回復などの箸休め的なものではなく、しっかり評価対象なのです。
途中のステップシークエンスではガラっと曲調が変わり拍手が起き盛り上がる場面でもありますね!いかに審判と観客を魅せられるかがカギ!
演技構成点「PCS」とは
演技構成点とはプログラム全体を通して判断される5つの要素の合計点です。
この5つの項目は「ファイブコンポーネンツ」と呼ばれます。
なんだか聞いたことあるでしょ?
- スケート技術
- 要素のつなぎ
- 動作・身のこなし
- 振り付け・構成
- 曲の解釈
この5項目をそれぞれ0.25点刻みで10点満点で評価します。
(10点満点×5項目で50点満点となります。)
そこに種目ごとの規定の係数がかけられます。
⇒例:男子シングルだとショートが1.0、フリーが2.0
⇒例:女子シングルだとショートが0.8、フリーが1.6
この違いは総合得点を算出するときおよそ技術点と構成点が同じぐらいになるように設定しているからで、3Aや4回転ジャンプが多い男子は女子よりも高く点数が出るように調整しているのだそうです。
この演技構成点がフィギュアの採点をややこしくしているんですよね。
PCSは表現力(演技力)、などと言われますが見た目や動きの美しさという芸術性の評価を行うものではなくきちんとした5つの要素から換算されているのです。
しかし曲の解釈、なんていうのは完全に審判の個人的な主観でしょうしジャンプのように基礎点がしっかり決まっていないものなのでいくらでも好きなように点数がつけられてしまいますね。
世界トップクラスになってくるとその選手の先入観などで点数が決まりやすいとも言われているちょっと透明性が怪しいトコロなのです・・・
ディダクション(減点)とは
フィギュアスケート競技では実施が禁止されている違反行為があり、規定による減点がされます。
よくある減点対象は以下のようなものです。
- 転倒(1回につき -1.0点)
- 演技時間(±5秒以上だと-1.0点)
- 衣装の違反(露出が多い・小道具を使うなど-1.0点)
転倒も「失敗やミス」ではなく「(スケーターがスケートのコントロールを失い)エッジ以外の部分で体重の大部分を支える」という違反行為に該当するという規定により減点されるのだそうです。
という難しいことは置いといて、とりあえずこけたら減点!ということで。
おわりに
フィギュアスケートの採点は、技術点と演技構成点と減点要素から得点が算出されるということをツラツラと書いてきました。
これはほんの触りの部分だけですが、この基本的なルールを知っているだけで今後フィギュアスケートがもっと楽しめるようになっていただけたら幸いです!
長々とお付き合いいただきありがとうございました(*´∀`*)
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