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ふるさと納税返礼品問題。ふるさと納税の概要やメリット・デメリットなど。

2008年から始まった「ふるさと納税」。
居住する地方自治体への納税に代えて任意の自治体に寄付を通じて納税する、
という制度ですが、「地場産品」に限定する動きがあるようです。

ふるさと納税の概要

もともと、国や地方公共団体などに寄付をした場合、
確定申告を行うことで、所得税および復興特別所得税が寄付金に応じて控除されるという、
寄付金控除がありました。

ふるさと納税は、寄付金控除を個人住民税に拡充した制度です。
地方自治体に対する寄付金のうち、2,000円を超える部分について
個人住民税所得の2割を上限とする金額が控除されます。

最初はこの制度を利用するために、一般の会社員でも確定申告が必要でしたが、
2015年4月1日より「ふるさと納税ワンストップ特例制度」が導入され、
確定申告不要の給与所得者でも5団体以内のふるさと納税であれば、
申請書だけで寄付金控除を受けられるようになりました。

また、2008年の創設当初は単なる税額控除でしたが、寄付者に対して寄付金の額に応じて、
主にその地域の特産品を「返礼品」として送付する自治体が現れ、
返礼品の内容をアピールして寄付を募る自治体が増えました。
「ふるさと納税」というと「返礼品」が思い浮かびますが、
最初からあったわけではないようですね。

ふるさと納税の発案・創設

「ふるさと納税」の発案は、地方間の格差や過疎により、
税収の減少に悩む自治体に対しての格差是正を推進するための新構想として、
2006年当時の福井県の西川一誠知事が「故郷寄付金控除」導入を提言したことです。

以前から、スポーツ選手や芸能人など都市部での活動機会が多いにも関わらず、
故郷への思いから住民票を移さず住民税を納め続けるといった、
実際の住所以外の場所に何らかの貢献をしたいという人は存在しました。

このような動きを受けて、2007年6月に総務省に「ふるさと納税研究会」が設立され、
この研究会の報告書をもとに、ふるさと納税制度が創設されました。

ふるさと納税のメリット・デメリット

この「ふるさと納税」は、慢性的な財政赤字を抱える地方からは歓迎されましたが、
すでに多くの税収がある大都市部からは慎重な意見が多いです。

メリットや賛成意見
・成長して故郷を離れても、故郷に対して貢献できる。
・返礼品は地場の特産品を採用しているので、地域経済の活性化につながる。
・伝統産業への知名度や需要が上がり、地方の伝統工芸が活性化する。

デメリットや反対意見
・都市部は故郷としての愛着を持たれづらく、寄付が集まりにくい。
・寄付をしなかった側も控除対象となるため、控除額ばかりが増す可能性がある。
・ふるさと納税による減収が増収を上回った場合、
 その影響はふるさと納税をしていない住民にもおよぶ。
・利用者の関心が返礼品に集中していて、
 財源を必要とする自治体への寄付になっていない可能性がある。

ふるさと納税の利用者数と寄付金額

2008年からのふるさと納税の実績は以下のとおりです。

・2008年 利用者:33,149人 寄付金額:¥7,259,958,000
・2009年 利用者:33,104人 寄付金額:¥6,553,113,000
・2010年 利用者:33,458人 寄付金額:¥6,708,590,000
・2011年 利用者:741,667人 寄付金額:¥64,914,901,000
・2012年 利用者:106,446人 寄付金額:¥13,011,278,000
・2013年 利用者:133,928人 寄付金額:¥14,189,345,000
・2014年 利用者:435,720人 寄付金額:¥34,111,165,000
・2015年 利用者:1,298,719人 寄付金額:¥147,103,026,000
・2016年 利用者:2,252,793人 寄付金額:¥254,040,784,000

年々増加傾向ですね。
2011年が多いのは、東日本大震災の被災者への寄付のためだと思います。

返礼品問題

上記のように、ふるさと納税は地域活性化を目的として始まりましたが、
過度な返礼品や地場産業とは無関係な返礼品が制度の趣旨にそぐわないと問題になっています。

是正のため総務省は、返礼品を「寄付額の30%以下の地場産業に限る」とし、
地場産業とは「自治体の区域内で生産された物やサービス」であり
「町外から仕入れてそのまま町内で販売している商品」や
「市内に事業所がある企業が市外で生産し、一般に流通している商品」は
地場産品とは考えられないと例示しています。

総務省は、11月1日時点で、返礼品見直し状況の全国の自治体を対象に再調査して、
違反した自治体はふるさと納税制度の対象外とし、
寄付しても税の優遇を受けられなくする仕組みを法制化する考えのようです。

おわりに

返礼品を楽しみに納税する利用者もいると思いますが、
地方活性化が第一の制度ですから、地方と無関係な返礼品を制限する動きは
仕方ないのかなと思います。