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投資の3倍リターンの健康経営。大企業と中小企業で格差。トップダウンが効果的か。

最近では、「健康経営」は企業でも常識になってきましたね。
ただ、中小企業では実施率が低いため、大企業との格差が問題となってきています。

健康経営の投資の3倍リターン

「健康経営」とは、従業員の健康管理を会社が戦略的に実施することです。
先進国の少子化などの原因によって労働人口が減少することを見込んで、
人的生産性を高めるために、従業者の健康を維持することが目的です。
また、社会的には年ごとに増大していく国民医療費の抑制にもつながっています。

具体的には、従業員のメンタル、フィジカル両面を改善するいろいろな取り組みがあります。
経済産業省では2016年度から「健康経営優良法人認定制度」を設立して、
積極的に健康経営を行う企業を評価する環境を整備しています。

「健康経営」という言葉は、アメリカの経営学者ロバート・H・ローゼンセン氏が、
1992年に著書で提唱したのが発端とされています。
アメリカの企業のジョンソン・エンド・ジョンソンは、
健康経営に1ドル投資するとリターンは約3ドルとなる調査結果を出しています。
企業、国家どちらから見ても、健康経営のメリットは無視できないものとなっています。

大企業と中小企業の「格差」

健康経営のメリットが理解されて取り組みが広がっていますが、
現実として大企業と中小企業の「格差」が問題視されています。

経済産業省の調査では、国内の中小企業約12000社での健康経営の認知度は半分以下、
実施状況は2割にとどまっています。
「健康経営」を知ったのもテレビや新聞などのニュースが多く、
経営者の認知度も低いのが実情です。

例えば「ストレスチェック」のように、従業員50人以上いる場所で義務化されていますが、
50人未満については努力義務としているなど、制度面でも小さな企業に及んでいないことも
課題となっています。

ただし、調査での今後の意向について、5割以上の企業が「今後取り組みたい」との回答で、
中小企業での関心は高まっているようです。

中小企業は「トップダウン」が効果的か

しかし、余裕のない中小企業が健康経営を実施するとなると、
どこから始めればよいのでしょうか。

化粧品・美容健康食品の製造・販売をしている協和では、2011年2月から始業前の8:45より、
全社で「スロートレーニング(スロトレ)」という筋力トレーニングを実施しています。

「スロトレ」は元オリンピック選手の柳澤哲さんが考案してトレーニング指導を担当しています。
「健康食品を扱っているのに、社員が不健康では説得力がありません。
そこで代表の堀内が牽引してトレーニングを行うことになりました」(柳澤さん)

効果はすぐ現れて、中でも社員の健康への意識の変化が大きかったようです。
普段から階段を使うなど、スロトレ以外の日常生活での健康への関心が高まり、
社内のコミュニケーションなど活性化にも効果があったようです。
各企業で独自に取り組みを行うときの参考になる例だと思います。

健康経営を始めたはよいが、続かない企業も多いです。
柳澤さんによれば「続けるコツは、代表が真剣であることです」とのことです。
トップが社員の健康を気遣うことが、社員にとって大きなモチベーションとなります。
中小企業にとっては「トップダウン」が最も効果的なのかもしれません。