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可愛いBIGスマイルのシロイルカが空を飛ぶー大きいのはスマイルだけではありません:エアバスの「ベルーガXL」

 

「空飛ぶシロイルカ」と可愛いあだ名が付いているエアバスの次世代大型輸送機が初飛行試験を行いました。

BelugaXLの運行はまだ一年先のようです

欧州航空機大手エアバス(Airbus)は今月、貨物輸送機「ベルーガ(Beluga)XL」の初の飛行試験をフランス南部トゥールーズ・ブラニャック(Toulouse-Blagnac)空港発で行いました。

今回の飛行試験は約4時間にわたりましたが、今後10ヵ月間に600時間の試験飛行を行う予定だそうです。

ベルーガXLが飛び立つと、空港に集まった1万人以上のエアバス従業員や下請け会社の従業員から拍手が湧き起こり、みな大喜びでした。

ベルーガXLは、現行の主力貨物機「ベルーガST」よりも一回り大きく、全高19メートル、最大搭載量は53トンとなっているそうです。

2023年までに計5機の製造が計画されており、着々と製造が進められているとのことでした。

なぜ巨大な輸送機を作る必要があったのでしょうか?

お得様の注文でこの企画が始まったのではと思っていましたが、実は、巨大輸送機制作の一番大きな理由は自社の事情だったようです。

エアバス社は、ヨーロッパの航空宇宙機器開発製造会社で、ヨーロッパの4か国に主要工場があります。そのため、欧州各地で製造される様々な航空機の強大なパーツやコンポーネントを最終組み立て工場へ輸送する必要があります。

パーツの生産地であるフランスのナントやサンナゼール、ドイツのブレーメン、スペインのマドリードやセビリヤ、ヘタフェ、イギリスのリヴァプールやブロートン、イタリアのナポリなどから、最終組み立て地のフランスのトゥールーズやドイツのハンブルクへ運搬する合理的な手段が必要でした。

1970年頃にエアバスが航空機の製造を開始した頃は、ボーイング社がNASA用に改造した“Stratocruiser”型機、通称”Super Guppies”をパーツの運搬に私用していました。

しかし、将来はボーイング社とは対等な商売敵になるべきして事業を進めたいエアバスなのに、その「ライバル社に頼らないと飛行機が作れないのか」と皮肉を言われ続けてきました。

1991年に、エアバスは自社で貨物機を開発すると決意し、異例の速さで、1994年に初代「ベルーガ」が処女飛行に成功しました。

それから24年後、新たな、より大きい「シロイルカ」が空を飛ぶ運びとなったのです。

ベルーガの別名は「海のカナリア」

この巨大な貨物機の名前となったベルーガは北極海等に生息する歯クジラの一種ですが、日本ではシロイルカの名前で親しまれていますよね。

横浜の八景島シーパラダイスに飼育されている、「おでこぷるぷるシロイルカ」が有名です。

このシロイルカは世界中でいろいろな名前で知られています。学術名はDelphinapterus leucasだそうですが、一般的な呼び方にはbeluga whale、white whale、canary whale 、sea canaryや melonheadがあるそうです。

その中で気になるのはsea canary、つまり「海のカナリア」という呼び名です。調べてみますと、シロイルカは、反響定位(エコーロケーション)という能力を持っていて、自分が出す音の反響によって自分の位置を確認出来るそうです。

空中では、シロイルカが発するその音が小鳥の鳴き声に似ているため、昔から海のカナリアと呼ばれてきたそうです。

もうひとつ気になるあだ名のmelonheadもこの鳴き声と関係があるのです。シロイルカの前頭部にある出っ張った脂肪組織は「メロン」と呼ばれていて、鼻腔の奥を振動させて生じた音波をこのmelonがある「おでこをぷるぷる」震わせて拡声していたのです。

ダジャレのようですが、この度は、「海のカナリア」が「空を飛ぶ」ことになる訳ですね。

コンコルド人気を思い出します

是非、私も巨大なシロイルカが空を飛ぶ姿を見たいと思います。しかし、開発された目的を聞きますと、どうしてもヨーロッパに行かないと見られないようですね。残念。

そう言えば、昔、イギリスとフランスが共同開発した超音速旅客機SST(supersonic transport)こと「コンコルド」(Concorde、運航期間1976-2003)というスーパジェットがありました。

皆の憧れの斬新なデザインでしたが、残念ながら、搭載できる燃料の限界などの技術的な問題で、日本まで飛来することはありませんでした。

当時、どうしてもコンコルドに乗りたくて、それだけの目的でヨーロッパへ旅行した日本人は少なくありませんでした。

そこまでして「空飛ぶシロイルカ」を見たいかと問われれば、微妙ですね。

しかし、もしショッピング目的で渡欧していたら、偶然、運良く見られたら、まさに「ラッキー!」ですよね。