英語

7.英語のspellと発音のあゆみ: Beowulfの訳

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前回は叙事詩「ベオウルフ(Beowulf)」の古英語の発音による朗読を聞いて見ましたが、不思議な響きでした。多くの人にはドイツ語に聞こえるようです。

この時代では、書き言葉の主な役割は「話し言葉」を記録することでした。

そのため、話し言葉の発音をそのまま文字にしようとしました。

回りくどい言い方をしていますが、字をそのまま声を出して読めば、それが話し言葉になるような綴りだったのです。

現代英語のように、同じ音に対して、様々なスペルの可能性があり、また文字の発音のルールや例外が多いようなことは少なかったようです。

今よりシンプルな規則に従って素直に書き言葉を発音していました。 下記に古英語のままのBeowulfの原文(A)、シェイマス・ヒーニー(Seamus Heaney, 1939-2013)の現代英語訳(B)および忍足欣四郎(おしたり きんしろう, 1932-2008)の日本語訳(C)を一部紹介します。より詳しい解説は「xapaga」のサイトで見ることができます。(https://sites.google.com/site/xapaga/home/beowulf)。

A1  Hwæt, wē Gār-Dena    in geār-dagum

B1  So.  The Spear-Danes in days gone by

C1  いざ聴き給え、そのかみの槍の誉れ高きデネ人(びと)の勲(いさおし)、民の王たる人々の武名は、

A2  þēodcyninga   þrym gefrūnon,

B2  And the kings who ruled them had courage and greatness.

C2  貴人(あてびと)らが天晴(あっぱ)れ勇武の振舞をなせし次第は、

A3  hū ðā æþelingas   ellen fremedon!

B3  We have heard of those princes’ heroic campaigns.

C3  語り継がれてわれらが耳に及ぶところとなった。

A4      Oft Scyld Scēfing   sceaþena þrēatum,

B4  There was Shield Sheafson, scourge of many tribes,

C4  シェーフの子シュルドは、初めに寄る辺(べ)なき身にて

A5  monegum mǣgþum   meodo-setla oftēah;

B5  A wrecker of mead-benches, rampaging among foes.

C5  見出されて後、しばしば敵の軍勢より、

A6  egsode Eorle,   syððan ǣrest wearð

B6  This terror of the hall-troops had come far.

C6  数多(あまた)の民より、蜜酒(みつざけ)の席を奪い取り、軍人(いくさびと)らの心胆を

A7  fēasceaft funden;   hē þæs frōfre gebād:

B7  A foundling to start with, he would flourish later on

C7  寒からしめた。彼はやがてかつての不幸への慰めを見出した。

A8  wēox under wolcnum,   weorðmyndum þāh,

B8  As his powers waxed and his worth was proved.

C8  すなわち、天(あま)が下に栄え、栄光に充ちて時めき、

A9  oð þæt him ǣghwylc   þāra ymbsittendra

B9  In the end each clan on the outlying coasts

C9  遂には四隣のなべての民が

A10  ofer hronrāde   hȳran scolde,

B10  Beyond the whale-road had to yield to him

C10  鯨(いさな)の泳ぐあたりを越えて彼に靡(なび)き、

A11  gomban gyldan:   þæt wæs gōd cyning!

B11  And begin to pay tribute.  That was one good king.

C11  貢(みつぎ)を献ずるに至ったのである。げに優れたる君王ではあった。

上記掲載の古英語の部分の朗読および解説は下記のサイトで見ることができます。https://youtu.be/sDXmxLDbp7c  

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