英語

13. 英語のspellと発音のあゆみ:PrintingとThe Great Vowel Shift

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イングランド人が英語を国語と決める大きな原因となったフランス王国との百年戦争(1337-1453)が終結し、近代英語への大きな一歩が始まりました。

前回に引き続き、鍵となる出来事を紹介します。 5. 1476年にウィリアム・キャクストン (William Caxton)がドイツで発明された印刷技術をイギリスに紹介しました。

そしてそのころ、多くの出版社が本社を置いたのがロンドンだったということで、印刷物の多くはロンドン方言で書かれるようになりました。6. 全イングランド内では様々な方言やチャンポン言葉が使われていたのに、spellingだけが印刷によって標準化されつつありました。 7. この出版技術と綴りの標準化がダメ押しとなって、言語学上きわめて珍しい現象が1350-1700頃にかけて起こりました。

この現象を「The Great Vowel Shift(大母音推移)」と呼ばれています。350年もの歳月をかけて起きた現象ですが、言語学者達に言わせると、「良くもこれだけの大変化がこの短い期間で起きた!」ということになるようです。

大母音推移のおかげで、「長母音」が「二重母音化」しました。より丁寧な解説やディープな説明はいくらでもウェブ上で見つかりますので、興味のある方は是非チェックして下さい。

ここではウィキペディアの分かり易い長母音の発音の変化の例を紹介して、少しはThe Great Vowel Shiftがもたらした変化を理解して頂ければと思います。

  • 長母音 [aː] は、二重母音→[eɪ] への変化。

(nameなど。「ナーメ」→「ネィム」)

  • 長母音 [εː] や [eː] は、長母音 [iː] への変化。

(feelなど。「フェール」→「フィール」)

  • 長母音 [iː] は、二重母音 [aɪ] への変化。

(timeなど。「ティーメ」→「タィム」)

  • 長母音 [ɔː] は、二重母音 [oʊ] への変化。

(homeなど。「ホーメ」→「ホゥム」)

  • 長母音 [oː] は、長母音 [uː] への変化。

(foolなど。「フォール」→「フール」)

  • 長母音 [uː] は、二重母音 [aʊ] への変化。

(nowなど。「ヌー」→「ナウ」) (https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A7%E6%AF%8D%E9%9F%B3%E6%8E%A8%E7%A7%BBの抜粋) 今まで「英語のspellと発音のあゆみ」をテーマに勉強してきました。

その結果現在、現代英語を学ぼうとしている我々を悩ます大きな要因となっているフランス語とラテン語の大量の語彙の流入と大母音推移による綴りと発音の遊離がどのようにして起きたのか、少しは分かるようになりました。

この後も英語の変化は続いていて、それをまさに我々が今も体験しているのです。

アメリカ英語とイギリス英語の違いなど、引き続き「生き物」としての英語の変化をさらに探っていきたいと思います。  

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