英語

11. 英語のspellと発音のあゆみ:中英語期のMiddle EnglishとFrench

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Middle Englishを日本語では「中英語」、また「中期英語」や「中世英語」と呼んでいます。

そして、中英語の時代は1066年のノルマン・コンクエストから始まり、15世紀の後半まで続くと考えられています。

ただし、ここで注意しなくてはならないことは、中英語期のイングランドでは英語のみが使用されていたわけではないことです。

まず、イングランド国王となったウィリアム1世、William I自身は英語を理解できませんでした。

晩年勉強を試みたようですが、あまり成果はなかったようです。

William I コイン

国王はノルマンディー方言のフランス語(Old Norman)しか話さなかったのです。当然、彼の側近も兵士も新興貴族も英語ではなく、フランス語を使っていました。

従って、行政、法政、軍政などイングランドの「政(まつりごと)」に関するコミュニケーションはフランス語で行われていました。

エドワード王時代よりも、仏語が広く普及したのです。

しかし、以前からこのイングランド地方に住んでいたイングランド人は引き続き英語を日常的に話していました。

William Iの領土(ピンク色)

その結果、支配層はフランス語を使い、配下の庶民は英語を使うという二重言語の構造になりました。

また、中流階級や商人の中には英語とフランス語の両方を話す人もいました。さらに、学者や聖職者は伝統を守り、ラテン語で文章を読み書きしていました。

この混沌とした言語環境が長く続いたおかげで、各言語グループが相互に影響を及ぼし合い、その結果、使われた語彙や表現方が多様化していったのです。

ボキャブラリーの増え方を見ても、同じようなことを表すのに、二通りの言い方が存在するようになりました。

現在でも使われているEnglish pairsと呼ばれる同意語/類似語の単語の組み合わせの例を「意味 = 英語 = 仏語やラテン語が語源の単語」の順で並べてみました。

森 = wood = forest,  家 = house = mansion, 価値 = worthy = valuable,  勇敢 = bold = courageous, 自由 = freedom = liberty 豚 = pig = pork, 鶏 = chicken = poultry, 子牛 = calf = veal,  牛 = cow = beef, 羊 = sheep = mutton こういった現象のおかげで、受験用の英単語帳が随分分厚くなってしまったわけです。    

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