英語

10. 英語のspellと発音のあゆみ:Norman Conquestとは何でしょう?

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古英語の時代が終わり、中英語の時代が始まった分岐点と言われる1066年に何が起こったのでしょうか。

イングランドのエドワード懺悔王(ざんげおう、Edward the Confessor、1003―1066)が子孫を残さないまま死んでしまいました。また後継者の指名が曖昧のままだったため、国王の席をめぐり、再び混乱が起きることとなりました。その結果、エドワードの従甥(じゅうせい=いとこの子)に当たるノルマンディー公爵ウィリアム(William II Duke of Normandy、1028-1087)が、自分のイングランド王位継承権を主張し、他の候補者との戦いに勝利し、1066年のクリスマス・デーにロンドンで戴冠します。彼はイングランド国王となり、自分をウィリアム1世、William Iと名乗り、征服王 (William the Conqueror)と呼ばれるようになりました。この出来事こそが、イングランドの歴史を大きく変える「ノルマン・コンクエスト(The Norman Conquest of England、ノルマン征服)」と呼ばれる政変でした。ノルマン・コンクエストにより、デンマーク寄りのデーンの政治や文化に代わって、フランス寄りの支配が始まりました。

この大変革には大きな特色があります。それはイングランドに住むアングロ・サクソン人、デーン人およびノルマン人が全てゲルマン民族の仲間だという事実です。政治的、文化的には色々な対立はあったものの、民族的な対立は無かったため、ノルマン・コンクエストは比較的速やかに進行したと言われています。ただし、言語については、ゲルマン系言語ではなくフランス語が大量に流入したため、語彙の「二重構造」が生まれ、それがいまだに我々を苦しめているのです。例えば、日本では畜産農家は「豚」を飼育し、そのおかげで、我々は「豚」の生姜焼きを食べることができます。しかし、イギリスでは農家は「pig」を育てますが、食卓にだされるのは「pork」chopsです。同じ動物なのに、育てるときと食する時とでは名前が変わってしまうのです。

英語はノルマン・コンクエストから400年以上を経て様々な変化を見せ現代英語となります。その過程で、現在英語を学ぶ私達にはどんどん面倒な要素が加わっていくのです。

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