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1. イギリス人のソールフードはSoul Cake?

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イギリスのロックスターSting(本名Gordon Matthew Thomas Sumner、1951年生れ)が2009年に「If on a Winter’s Night…」と題したアルバムを発表しました。この題名はイタリアのポストモダン作家Italo Calvinoが1979年に発表した小説「If on a winter’s night a traveler (原題 Se una notte d’inverno un viaggiatore - もしも冬の夜に旅人が)」から取ったものだそうです。このレコードの内容はクリスマスと冬に関する歌を集めたものでした。自作の曲も含まれていますが、伝統的な歌やバッハ、シューベルトなどのクラシック作曲家の曲に歌詞を付けたものもあります。曲目の中の「Soul Cake」という歌に私は聞き覚えがあったので、少し調べてみました。この曲を作詞作曲したのはPaul Stookey、Tracey BatteastとElena Mezettiと分かり、ピンときました。Paul Stookeyとは1960年代、Bob Dylanの曲を広めたことやヒット曲「パフ」で有名なアメリカのあのフォークグループPeter, Paul and Maryのポールのことでした。スティングの歌はP,P&Mが1963年に「A’Soalin」という名前で発表した曲の新しいアレンジでした。Soul cakeとは、英国の中世に起源をもつ宗教行事で配られた甘いケーキのことです。1960年代にアメリカのフォークソングとして有名になる100年前からほぼ同じ歌詞がイギリスに存在していました。1891年に英国牧師のRev. M. P. Holmeがこの曲を代々歌い続けてきた人たちの聞き取りを行いました。彼がまとめた歌詞を紹介します。

[Chorus]

A soul! a soul! a soul-cake!

Please good Missis, a soul-cake!

An apple, a pear, a plum, or a cherry,

Any good thing to make us all merry.

One for Peter, two for Paul

Three for Him who made us all.

[First Verse]

God bless the master of this house,

The misteress also,

And all the little children

That round your table grow.

Likewise young men and maidens,

Your cattle and your store ;

And all that dwells within your gates,

We wish you ten times more.

原作には三番まで歌詞がありますがここでは二番と三番を省略します。コーラスと一番の歌詞の意訳は下記の通りです(野上彰詞訳)。

 

[コーラス]

ソール、アソール、ソールケーキ、

奥さん恵んで下さい、

リンゴに梨、スモモでも、

なんでも、みなありがたい、

神様の恵みがありますように。

[一番]

ご主人さまはじめ、

奥様方も、

お子様たちから、

この屋の人、

この屋の家畜も、

全てに神様のお恵みを

このように歌ってcakeを恵んでもらった子供達や窮乏者のことをsoulersと呼んでいたそうです。ケーキを貰ったソーラースが提供者とその家族や家畜のsoul、つまり「魂」の幸福を願って歌いました。それが由来でこのお菓子はsoulケーキと呼ばれるようになりました。また先祖の鎮魂を願うのもこの行事の大事な要素でした。この古い英国の宗教行事は、日本のお彼岸に似ているところがあり、もう少し勉強してみたいと思います。

 

 

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